笑えや ページ48
zm-side
アンリード。我々国に並ぶ強豪国で、何故平和条約を持ってきたのか分からんかった。
でも多分、何かでAが我々国におる事を嗅ぎ付け、平和条約に踏み込んだんやろなぁ。
それでもまさか彼女が自分から城に来るとは思っていなかっただろう。
アンリード城の壁を駆け上がり、中の様子を見る。
王「お前は此処にいろ！」
『…分かりました』
そんな、雑に扱わんとってぇや。俺らの大切なお姫様やねんで。
インカムに触れ、「見つけたで」と報告をする。
窓枠に手をかけ、彼女が気づくように中に入る。
zm「ﾁｯｽﾁｯｽ」
そう軽く挨拶をすると、彼女は呆れたように、悲しそうに。
『……全く、言う事聞いてくれない人達だな』
でも、少し嬉しそうにそう言った。
zm「おっとぉ？言う事聞かなかったのはそっちなんだよなぁ」
『な、何の事かなぁ』
zm「しらばっくれるんはいいわ！はよ帰るで！」
手を取るととても嫌そうな顔をしていたし、実際嫌だと言っていた。
それでも、連れて帰る事が俺の役目だ。
zm「何でそんな嫌がるん」
『今から戻ってもも皆に迷惑かけるし……もう知ってると思うけど、本当なら此処で王女やってるんだよ？』
zm「やから何なん？お前の父さん逃げたんやろ？じゃあもう関係ないやん。新しいオウサマも決まっとんやろ？」
『そうだけど、私が自分で来たから皆にも関係ないじゃん！』
此奴…面倒臭い奴やな！
zm「関係あるわ！大ありや！！」
『…なんで、』
zm「俺らと契約しとん忘れたんか？いつから自分で城外出れるようになったん？グルッペンに言ったんか？言ってないやろ、言っとったらこんな大事ならんもんな！」
『……っ』
八つ当たり気味に言うと、彼女は足を止めて俯いてしまう。
あ、やばい。言い過ぎたか？
『じゃあもう、契約違反でいいよ！！』
zm「何言いよん？魔法契約やから、破ったらお前…！」
『別に、死んだって構わない。私は…』
「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン！！！！！」
Aが何かを言いかけて遮られる。声の主の方を見ると、窓に仁王立ちで立っていた。
彼奴、アホなんちゃう…？
sha「A、迎えに来たで！」
pi「シャオロンさん煩いです」
『迎えに……？来ないでって言ったじゃん』
pi「それ聞いてあの人が黙ってると思いました？」
そりゃそうや。彼奴が、自分の惚れた奴がおらんくなって取り戻そうとせん方がおかしいわ。
俺やって、此奴の事を……！
zm「せやから、一緒に帰ろや」
『…………』
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作者名：中澤 錦 | 作成日時：2019年9月7日 18時
