またそうやって ページ44
pi-side
Aさんがアンリードの科学研究所にいるという情報が入ったらしい。というか、連絡したら出たのが彼女だったらしい。
でも彼女がアンリードに行く理由はあるのだろうか。くられ先生と知り合いだったと聞いたが本当だろうか？
pi「あ、ナタリーさん」
nt「えっと………ショ…」
pi「ッピです。」
nt「それ。ショッピさん」
くられ先生の助手であるナタリーさんだ。彼女に聞けば分かるだろう。
pi「科学研究所の方にこれくらいの女性が行ってませんか」
nt「あー……来ましたね」
pi「そっすか。あざす」
nt「ちょっと待って下さい」
pi「……？」
此処が街中ではなく人気のない路地だったから良かったものの。彼女は銃を出し此方に向けてきた。
pi「何のつもりっすか」
nt「今研究所に行かせるわけにはいかないんで」
pi「じゃあ力づくで…と行きたいとこですけど」
無駄に体力使いたくないんでアンタ振り切ってそのまま行かせて貰いますわ。
簡単には行かせてくれない事は分かっていたがこの人殺す気満々なんだよなぁ。
pi「……Aさん？聞こえてます？」
自身のインカムに手を当て、名前を呼ぶ。彼女の声は聞こえないが相手が出た時の機械音が鳴った。
pi「返事良いんで聞いて下さい」
nt「余所見とか、舐められてる？」
pi「ナタリーさんちょっと黙ってて。Aさん、俺今から迎えに行くんで何処にも行かないで下さい。どっか行っても見つけるんで」
相変わらず彼女は黙っている。ちゃんと聞いているだろうか。
ナタリーさんが追ってくるのを注意しながら、何度も同じ事を言う。
『………い』
pi「Aさん！何ですか？」
『ごめん。迷惑かけてごめん…ショッピ君、もういいよ！私、もう研究所にはいないから』
pi「そんな冗談…((rb[ショッピ君！！]…ロボロさん？」
rb[インカムの位置特定が終わった！]
やっとか。電波妨害されていたらしくインカムで彼女の位置を特定できなかったのだ。
rb[場所はアンリード城内。連れ去られた可能性が高いで！]
pi「は？嘘やろ、Aさんアンタ何して…」
『…迷惑かけるくらいだったら自分からいるべき場所に戻った方がいいじゃない？』
pi「何、言ってんすか……アンリードがアンタの居場所…？」
彼女の声は震えていた。きっと泣いているのだろう。
『私自分から行ったから。連れ去られたとかじゃないから、安心して』
rb[安心…？何言っとん]
pi「………ロボロさん、一旦帰りますね」
rb[おっけー]
世話のかかる人だ。
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作者名：中澤 錦 | 作成日時：2019年9月7日 18時
