【d!】お姫様は逃げ出したい！！ (ページ43)

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そのころページ43

You-side
〜数分前〜
くられ先生は用事があると言って出かけていった。その内助手が帰ってくるだろうからと付け足して。

『さっきの女性が助手だったのかな』

黙って城を抜け出した手前、帰るなんて事はできない。探し回るのかも知れないけどアンリードまでは来ないだろう。

「すいませーん、くられさーん」

その時だった。私しかいない研究所の扉が開いたのは。誰だ。助手さんじゃない。助手だったら"先生"を付けるはず。でも扉を開けられる？

「あれ」
『っ、お前……！』
「こんな所で会えるなんてね。くられさんはいないみたいだし…君だけでも連れて帰ろうかな」
『やめろ！こっちに来るな…っ』

彼はこの国の貴族だ。興味本位で此奴に引き取られたことがあった。その時の仕打ちがあまりにも耐えられなかったので逃げ出したのだ。
こんな所で会うなんてな…！

『今の私はあの時みたいに弱くない！』
「…へえ、僕に魔法撃ってどうなるか分かってるの？」
『どうなったって構わない。私には関係ない』
「そっちがその気ならこっちも手があるんだけど」
『ぐ、！？』

彼が手を翳した途端に体に電流が流れたような感覚に陥る。

「どうだい？気絶したい程度にはしてみたけど」
『く、卑怯…だ』
「魔法を撃とうとした奴が何を………何だお前は」

彼が話す途中で見つけたのは入口に立つ女性。先程会った女性だ。
やっぱり助手だったのか。

「………何してんすか」
『電撃に、気を付け、て……』
「うるさい黙れ！！」
「女の子に手出すなんて最低」
「ゔぇ！？」

彼女がその言葉を発した瞬間に貴族の男の体が崩れ落ちた。彼女は此方に駆け寄り、治療をしてくれた。
私は体が麻痺していた為自分で治療ができなかったのだ。

『すいません、ありがとうございます』
「大丈夫っす。くられ先生の知り合いですか」
『はい。昔の知り合いで……あ、Aっていいます』
nt「自分ナタリーです。一応先生の助手やってます」

ナタリーさん、仲良くできるといいな。それにしてもさっきは何をしたのだろう。気になったが聞ける雰囲気ではなかった。

nt「面倒な事になってしまった」
『え？』
nt「貴族の死体が見つかったら色々問題になるんで」
『それは大丈夫だと思う』
nt「え、何でっすか」

実は今の男、近々死刑になると言う話がされていたのだ。知っているのは我々国新聞に載っていたから。センスの無さ。

nt「じゃあちゃんと説明すればいいか」

この後グルッペンから連絡が来たのだが。