【d!】お姫様は逃げ出したい！！ (ページ37)

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面白いページ37

gr-side

gr「さあ、隠している事を吐いてもらおうか…」
『っく、何て非道な奴……！』
sn「はいはい部屋でやってねー」
gr/A「『あ、はい』」

ペ神に医務室を追い出され、沈黙の状態で部屋へ向かう。道中も何か言った方がいいかと思ったがこういう時に限って言葉が出てこない。
部屋に入ると彼女に椅子へ座るよう促す。

gr「…はぁ、で？」
『で、と言われても』
gr「そんなに言えん事なん？別にええやん」
『言え、ない』

彼女は俯き、何かに怯えるように震え出した。あ、何かあったんだな。
それくらいは予想がつく。どんな物かは分からないが。

『…………誰にも、言わない、で』
gr「勿論だ」

彼女は一度此方を睨み、深呼吸をしてゆっくり話し始めた。

『最初は、普通の、平民の出だと思ってた。けど、父が王族の血統で、私も、その血を継いでたから…………国は遠くの、何だっけ…あ、アンリード？っていう国の。で、本当なら私はその国のお姫様だから、アンリードで懸賞金みたいのかけられてて、それを狙った人達がよく家に来てた。まあ父が逃げてきて暮らしてた……私の生まれ故郷は、この我々国に負けたからその戦争で死んだだろうって事になって、アンリードの人達も来なくなった』

彼女の話は、とても信じられない事だった。アンリードとは遥か東にある大国だ。それこそ我が国と同じ程に。
その国の、姫だと？

『もし私が生きてる事がバレたら…皆に、迷惑かけちゃう』
gr「ふむ」
『だから黙ってたかったのに』
gr「いやはや……」
『……？』

アンリードに兄さんが潜入調査に行くと言えば、どんな反応をするのだろうな？
ああ、彼女はやはり興味深い。

gr「俺達に迷惑がかかる事は考えなくていい。お前が逃げ出してる時点でかかってるのでな」
『ゔ』
gr「アンリードはかなりの大国だゾ？」

其方に帰った方が良い暮らしができるんじゃないのか、そう聞くと彼女はとんでもないと首を振る。
一度行ったことがあるらしいが、お姫様になれば城からは出れない上に此方の教会のような対応をされるらしい。
それは帰りたくないな。

gr「我が国にいればいい。俺達が守ってやるゾ」
『…うん。本にも言われた』
gr「本？」
『医務室にあった魔法書。読んだ』
gr「あ、あれを！？」

あの本短時間で読んだってのか！此奴規格外すぎるだろ！！
というかそんな報告受けてないぞペ神！

gr「ま、まあいい。お前のおかげで沢山の命が助かった。ありがとう」

そう、深々と頭を下げた。