【d!】お姫様は逃げ出したい！！ (ページ33)

今日:6 hit、昨日:3 hit、合計:51,203 hit

秘密特訓？ページ33

sn「じゃあまずは足治しましょうねぇ～」
『あっはい』

そう言いながら彼は包帯を替えてくれる。手際がとても良く、軍医を任されるだけあると思った。
雑面の下は、どんな顔をしているのだろう。

sn「……？」
『あ、ごめん』
sn「どしたん？俺に見惚れてもうた？」
『顔見えんけど』
sn「せやったw」

ゆったりとした喋り方と、ふんわりとした動きがとても会っている。
空色の髪はとても長く、一つにまとめている。彼は、他の幹部とは違う何かを感じる。

『あのさ』
sn「んー？」
『ペ神は、魔法使えるんだよね』
sn「使えるで〜。治癒魔法が主やけどなぁ」
『私は、使えるかな』

皆の役に立ちたい。じゃあ何をすればいいのか。
戦場にでも出ればいいじゃないか。死なずに帰ってくれば、怒ることは無いだろうし、私が魔法を使いこなせさえすれば戦えるだろう。

『足が治ったら、魔法を教えてもらおうと思うんだ』

初めは、グルッペンの空いた時間にでも……と言うと、ペ神は笑って頭を撫でてくる。
彼はよく、こうして頭を撫でるのだ。

sn「うん。じゃあ尚更はよ治さななぁ〜」
『頑張るよ！』
sn「まずは動かせるようになってね。それからちょっと歩く練習をして。完全に治ったらグルッペンの所行っていいから」
『わかった。結構長いなー』
sn「君やなかったら魔法でパパッと済ませんねんけどな〜」

なんて？
私は、魔法で治せないの？

sn「いや、君の事を守っとる魔力がデカすぎんねん。凄い頑張れば行けるかもしれんけど〜」
『じゃあ、私に治癒魔法教えてよ』
sn「治癒魔法は数多くある魔法の中でも習得が特に難しいんやで？ホンマにやるん？」
『やる』
sn「まあ俺も当分暇やし、付きおうたろ」
『ありがとうペ神！！』

それから治癒魔法の原理とやらを聞き、実際に怪我人を治すところを見学。
それからマウスに魔力を流し込む練習をした。

sn「素質あるな〜凄いよAちゃん」
『ほんと！？』
sn「数時間で魔力を流し込めるようになるなんて……才能やね」
『よく器用って言われるんだよねー！』
sn「うん。じゃあ次は怪我しまマウスを治してみようか」

これができれば足も治せる、そう聞いて俄然やる気が出てきた。
この世の生き物には魔力が流れている。怪我をすれば魔力の流れは乱れるし、運動をすれば活発になる。魔法を用いて怪我を治すには魔力の流れを感知しなければならない。かなりの集中力を必要とする為、そもそも習得しようとする者が少ない。
……らしい。