book ページ30
つ、遂に評価を頂いてしまった……！
ありがとうございます！！！！
更新頑張りますよォ〜！
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『"あなたは嘘をついている"』
その題名に、ドキッとしたのは言うまでもない。何故、私は嘘なんてついていないのに。そう言い聞かせても無駄だと感じる。
その本を手に取ると、手に吸い付くようにしっくりくる。
『……っ』
何故か高鳴る胸を押さえ、ページを開く。そこには、私が今までしてきた事が全て載っていた。
どうして、こんな……。
『目次……"1。あなたは何も知らない"、"2。あなたは親を殺した"……！？』
私、が親を殺した…？
其方が気になったがページを飛ばす事ができず、"あなたは何も知らない"と大きく書かれたページをめくった。
―あなたは本当のあなたを知らない。でも、あなたが見ているのは偽物のあなたではない。あなたが見たければならないのは、本当のあなた。私は、あなたの全てを知っているよ。
"私"というのは、この本の事なのか、この本を書いた者の事なのか。
今の私には何も分からない。
―ほら、今だって自分の事を疑っている。何も分かっていないでしょう？大丈夫、この本を読み終わる頃には、何だって理解できるわ。あなたなら、あなたの事だって理解できる。
何も分かっていない……。その通りだ。私は、自分の事も彼らの事も、この世界の事だって、何も知らないし納得がいっていない。
こんな世界………。
―『こんな世界』だなんて思わないで？だって、あなたはこの世界大好きだもの。白髪赤眼に対する認識が沢山あっても、親がいなくなっても、あなたは強く生きてきたのよ。それは、この世界が好きだから、生きる事を続けられたのよ。
どうして、私の思っている事がわかるのか。これは、魔法書という物か。
―あなたは何も知らないから、私が何でも教えてあげる。ほら、次のページへ行って。この本は分厚いけれど読んでみたら一瞬だから。だから、"あなたは親を殺した"っていうページを、しっかり読んで。
手が、勝手に動く。その時医務室にペ神が帰って来たが、其方を見ることすら出来ない。ただ、ページをめくる。
―ああ、やってしまった。あなたは、親を殺してしまった。償えきれない罪を侵してしまった。
私は、何もしていないのに、どうして私が殺したと言うの？あなたは、何を知っているの？
―あなたが小さい時、家にお客さんが来たじゃない。あの人を、あなたの親が殺して、死体を隠したのよ。
お母さんとお父さんが、人を殺した…？
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作者名：中澤 錦 | 作成日時：2019年9月7日 18時
