俺達皆な？ ページ22
シャオロンside
此処は俺が貧民街の子供達の為にツリーハウスを作ってあげた森。子供達に協力を求めようかと思ったが、巻き込んでしまうのは申し訳ないから、彼女の見た目だけ教えて、過ごしているうちに見かけることがあれば連絡して欲しいと伝えようとした。
sha「……いるんやろー出てこい」
子供「ボス！お疲れ様です！！」
sha「おう！4人ともおるな、じゃあちょっとお願いがあるんやけど」
子供4「俺たち今から此奴の家行くんで、あんま時間がかかる事は…なあ」
子供3「そうそう！今日は俺の家で誕生日パーティーするんです！」
sha「いや、簡単なことやから大丈夫。あのな……」
一通り説明したあと、森の中を探す為に歩き始めた。が、すぐに何かの手により止められてしまった。
sha「……どしたん？袖なんか引っ張って」
子供3「ボスも来ませんか？俺の母さん、会ってみたいって言ってるんです！」
子供2「俺たちのこと救ってくれたから、そのお礼もしたいって！」
sha「あー…すまんな、俺今日用事あんねん！」
子供「そう、ですよね…」
俺がそう断ると子供達がしゅんと項垂れる。少し可哀想と思いつつ、ほんまごめんと謝って走る。
逃げたように見えてしまっただろうか？いや、大丈夫だろう。
自分が気にかけている子供達に構ってやりたいのは山々なのだが。
sha「ああもう、はよ見つけて帰ろ」
その時、何処かで話し声が聞こえた。気がしただけかもしれない。
そう言えば、子供達が森の中に店があるみたいな事言いよったな…。探してみるか。
sha「ロボロー？」
rb[シャオさんか、何？]
sha「森の中にある店って知っとる？場所教えて欲しいんやけど」
rb[ちょ……っと待ってな。―――――今あんさんがおる所から北西の方角やな]
sha「北西やな、さんきゅ」
北西に向けて足を速める。正直、Aが何を考えとるんか分からん。
城に入りたくて舞踏会に来たのに、此処にいろと言われれば拒む。意味分からん。
家だって、元は自分の家やないやん。なのに帰りたいん？犬1匹の為に命までかけるんか。
彼女のそんな所に、俺はなんで惹かれてるんや……？
そう、俺らしくないなと思いながら考える。
彼女みたいに意地っ張りな子が好きなんやと思う。でも、甘えて欲しかったり。
貴族の女みたいに、大人しくしてないとあかんとかそんなのが身についとる奴は嫌や。一緒におっておもんない。
でも彼奴は違った。多分幹部皆そう思ってんちゃうかな…。
sha「そんな訳で、帰さへんで！！」
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作者名：中澤 錦 | 作成日時：2019年9月7日 18時
