【d!】お姫様は逃げ出したい！！ (ページ21)

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ボス！！ページ21

子供「俺たちもう仲間だろ！！」
子供2「そうだよ！悪い奴らが来たら俺たちで時間稼ぐし！」
『皆…！』
子供4「それに、また来るって言っても捕まったら来れないかもしれねーじゃん」
子供3「そうそう！だったらぜんめんきょうりょくってやつ！」

この子達、いい子過ぎでしょ……！私嬉しい！

『皆、本当にありがとう。きっと逃げ切ってみせるよ！』
子供「その意気！」

盛り上がっていると子供の1人があっ、と小さく声を上げた。
その手には双眼鏡が。

子供3「森に誰か入ってきた！…もしかしたらお姉さんを追いかけてる奴かも…」
『分かった。それにしても、ここまで来るとは…なんて用心深いんだ！』
子供4「俺にも見せて！」

そう言って双眼鏡を覗いた子は、すぐに安心したような顔をする。

子供4「なんだ、ボスじゃないか」
子供3「えっ？……ほんとだ。お姉さんも見て！この人が俺たちのボス！」
子供2「ボスがこの秘密基地も作ってくれたんだ！」
『ほうほう……、！？』

双眼鏡を覗いて目に入ったのは、キラリと光るシャベルを持った男性。
その頭には見慣れた物が。

『豚缶バッチ……！シャオロン……っ』
子供「あれ、知ってるの？」
『知ってるも何も、彼奴らが追いかけてきてるんだよ。ごめん！もう行くね！』
子供4「ボスは悪いやつじゃないけど…」
子供3「お姉さん気をつけて！ボスの気は俺たちが引くから！」

ありがとう、子供達！逃げきれた暁には、必ずゲームを……！
そう心の中で叫びながら池に飛び込む。シャオロンからはかなり距離があったから、今から逃げれば撒けるだろう。
子供達が言った通り、所々に息ができる場所があった。それらを頼りに水中を進む。

『っ……ぷは！』

顔を出すと周りは木々に囲まれており、とても静かな場所だった。
見渡すとやはり小さな建物がある。此処がさっき言っていた…。

婆「おや、これは珍しい客だね」
『お婆ちゃん、何も聞かずに匿ってください！』

貴女のお孫さんに紹介されてきました。
そう言うと頷いて中に入れてくれ、タオルを渡される。

婆「何があったんだい？あの道は緊急事態用だよ」
『……実は、幹部に追われてまして』
婆「それはまあ…大変だねぇ。これ以上は聞かないが、此処に留まるも此処から出るも、好きにしておくれ」
『ありがとうございます！』

深々とお辞儀をしタオルを返す。何かに隠れさせて貰うのも考えたが、それだと見つかった時に逃げられない。これはかくれんぼではなく、鬼ごっこなのだ。