仲間だろ ページ20
『じゃあ、お姉ちゃんも仲間に入れてよ』
子供「んー。じゃあ、こっち来て！」
子供が駆けていくのに付いて行く。すると其処には数人の子供の姿が。
『この子達が仲間？』
子供「そうだよ！なあ、このお姉さんも仲間に入れて欲しいんだって！」
子供2「え、だってこの人大人だろ？」
『あんまり変わんないって。それより、私今怖い人に追われてるの。私の事を助けてくれたら、今度最新のゲームを一人一台買ってあげる！』
その言葉に子供達は目を輝かせ、一応話し合うのか輪になった。
子供3「いいぜ。今からお前も仲間だ」
子供4「じゃあ、秘密基地に行くぞ」
『ありがとう！』
子供達が秘密基地と称す其処は、大人達が立入禁止としている森の中の、大きな木の葉に隠れたツリーハウスだった。
それもとても良くできていて、確かにバレ無さそうだ。
子供2「お姉さん、運動得意？」
『もっちろん！』
子供2「ハシゴは此方の木にあるんだ。だから、この木に登ってあっちに飛び移って行くんだ」
『なるほどね』
この木自体が池に生えている。池の外の木から行かないと駄目ってわけね！
これは良い隠れ場所だ。木登りは子供の頃してたし、あの戦争からは何があっても大丈夫なように体を鍛えてる。
『ほっ』
子供4「おー！」
子供3「やるじゃん」
そう言いながらも木を飛び移ってくる。
子供にしてはよく動ける子たちだ。大きくなったら軍に入るのだろうか。
子供「もし悪い奴らに見つかったら、此方の床の扉から池に飛び降りれるよ」
子供4「丁度飛び降りたとこの下に、離れたもう一個の池に出れるんだ！」
『凄いね！』
子供2「だろ！？途中は所々に息できる空洞があるから、そこで休憩しながら行けば大丈夫！」
『もう一個の池には誰か来るかな？』
問題は其処だ。幹部の誰かが其処にいたら意味ないし、人通りが多いところなのも良くない。
子供3「来ないよ。池の目の前に俺のばあちゃんの店があるけど滅多に人来ないから、話して隠してもらえば大丈夫だよ」
『いや、ホント助かるよ！さっきの約束は絶対守るよ』
取引は成立ってことだしね。
この子達にはゲームを買ってあげられる価値がある。
子供「当たり前だぞ！こうかんじょうけんってやつだ！」
難しい言葉知ってんなー。
今頃幹部らが城を出たところかな？
『私はこの扉のそばにいるから皆は帰っても大丈夫。この鬼ごっこが終わった時、もう一度此処に来るから』
そう言うと子供達は首を振り、口々に発言した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 78人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：中澤 錦 | 作成日時：2019年9月7日 18時
