確かヘルメットの ページ13
なんか緊張するなあ、こういう場面って元の世界じゃ無かったからな…。そういえば我が両親は元気にしているだろうか。2人が私を此処に突っ込んだと同然なんだよなぁ。
『……はあ』
tn「どした？」
『何もない』
tn「すまんな、待たせて」
『別に…』
この部屋には窓があって、外の景色が見える。此処からは私の家は見えない。
ああ、上から見たらこんなに綺麗なんだ。この街。
この国、こんなに広かったんだ。
私はこの国に来てまだ数年だ。別にこの国で生まれて育ったわけじゃない。
私の国はこの国に戦争で負けたのだ。その時運良く助かり、連れてこられ、何もなかったように普通の生活をさせられた。
苦しかった。
私だけが助かった。両親も亡くなった。今は義理の両親で私のことを快く迎え入れてくれた。友達も皆死んだ。家は焼かれたし、学校は潰れてたし、私は見つかるし。でも見つけたのが幹部らしき人で、私の姿を見て殺すのをやめたんだ。
その理由が今日やっと分かった。白髪赤眼。私のこの容姿のせいだった。
『私を見つけた人って、誰だったんだ―――？』
この城に来てそれを確かめたいと思った。確認したい、そしたら何で私のことを殺してくれなかったんだって聞くんだ。何で皆と同じ所に、同じ時に逝かせてくれなかったんだって。どうして、私だけが……？
tn「ん？お前もしかして4年前に見つかったっていう奴か？」
『え？』
tn「いや、4年前の戦争で勝った国で白髪赤眼が見つかったんや。まだ10歳くらいやったから一旦この国の家庭で預かってもらっとったんやけど……」
絶対私じゃん。そんなに珍しいなら私のことだよね？私くらいだよねこんな境遇なのって。
tn「それがまさか舞踏会に招待されるとはな…ｗ」
『参加してないわ』
tn「まあ俺ら幹部には会えたし満足やろ？」
『幹部目当てじゃないし…案内人鬱さんだよ？かっこよかったけど信用できないことが発覚した。見た目で決めちゃいけんなぁ…』
tn「かっこいい！？ｗｗ」
『そりゃもう紳士だよ』
私の言葉に爆笑しているトントンさんは置いといて、私を見つけたのは確か…。
「トントンさん此処にいたんすか。グルッペンさんが呼んでましたよ…ってコネシマさんが言ってた人っすか？」
tn「ああ、すまんなショッピ君。後で行くって言っといてくれん？」
pi「分かりました。じゃあ…」
用事が済むとすぐに部屋を出ようとした彼の腕を、私は無意識に掴んでいた。
pi「……？どうかしました？」
『あ、え…』
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作者名：中澤 錦 | 作成日時：2019年9月7日 18時
