再開 ページ11
『…この国の幹部の方々は皆馬鹿力なのかな？？』
この城に来て何度痛感したことか、逃げようと試みる度に感じる。
もうちょっと乙女を労る事を知って欲しい。
ht「別に、平均並みかな」
『いや平均おかしいよそれだと』
ht「そうかな」
『そうなんだよ。てかもう逃げる気ないから監視とかいいんだけど』
ht「それ嘘でしょ。もう隠す気ないよね」
そう言って笑う。
何にも面白くないんだよなぁ。
まあ隠す気ないけど普通に帰りたいので出してくれ。
監視とかめっちゃやじゃない？
『いや逃げれないし』
ht「あ、分かってはいるんだ」
『もう無理かなって思ってきた……あ、風呂は露天風呂が良いかな』
ht「何の注文？w…そっから逃げる気でしょ」
『そんなんじゃないって〜』
ht「はい却下」
『無慈悲！？』
淡々と料理を作りながらひとらんさんと話す。
『ひとらん……さん』
ht「何、呼び捨てでも良いよ？」
『できたんだけど』
ht「わ、シチューじゃん美味そう」
『味見どぞ』
(毒味)
毒なんて持ってないけどそっちのがお似合いだよ！
ひとらんは味見皿にシチューを取り、口に流し込む。
くそ、イケメンは何してもイケメンだな！
ht「ん、美味い」
『でしょ？我ながら傑作よ！』
ht「めっちゃ自慢げｗ」
と、ひとらんと話していたら廊下からバタバタと大きな足音が聞こえ、扉が音を立てて開いた。
と思ったら一人の男が入ってきて突然歌い始めた。
「くれあっおばさんのぉ〜↑」
『え、は？ｗ』
「しちゅ〜のひっみっつぅ〜！」
ht「一旦落ち着こｗ」
「やっさーいまるごとうぉっちんくりふぅぅ↑↑」
「コクがある！！！」
『いや誰』
ポーズをとってビシッとキメた其奴は此方を見て大きく口を開けた。
「シチュー作れるん！？」
『え、作れるけど誰！？』
ht「コネシマだよ。うるさくてごめんね」
kn「ひとらんらんお前シチュー作らせて独り占めなんて見逃せんで！！」
『いやトントンさんのだし』
ht「俺は見張り」
見張り？と首を傾げるコネシマ。
最初から呼び捨てなのは…。
kn「ってお前、Aやん！！」
『え、誰ですか人違いですね』
kn「俺や俺！コネシマや！！」
『ひとらん、この人執拗に絡んでくるから追い出してよ』
ht「何様」
kn「絶対覚えとるやん」
『……はあ、相変わらずうるさいなぁ』
家が近所でよく遊んでいた。
まさか幹部になっているとは。
『絶対困らせてるでしょ』
kn「いや寧ろ役に立っとるで！」
『ふーん』
ただうるさいだけだと予想した。
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作者名：中澤 錦 | 作成日時：2019年9月7日 18時
