【d!】お姫様は逃げ出したい！！ (ページ1)

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舞踏会ページ1

A 女 16歳
身長158cm 体重「見せられないよ！」
白髪赤眼
|||||

『お、おお…！』

門をくぐると物語に出てきそうなお城が目の前に。
此処に入る事はこの我々国の女子なら当然憧れだ。
遂に此処で開かれる舞踏会に参加できるなんて…！

「お嬢さん、会場は此方です」
『は、はい！』
ut「この度案内役をさせていただく鬱と申します」ﾆｺ

それに答えてスカートの裾を指で摘み、お辞儀をする。

『Aと申します。この度はご招待いただき誠にありがとうございます』
ut「此方こそ参加していただけて光栄です」
『それにしても本当に美しいお城ですね』
ut「気に入っていただけて何よりです。では、此方の待合室にてお待ち下さい」
『はい、ありがとうございます』

ソファに座るとお尻が沈む。
待合室ってこんなに豪華なものだっけ…？
さっきの案内人さんもめっちゃ偉い人だったりして。

ガチャッ

と、鍵のかかる音が部屋に響き渡った。
用心なんだなぁ…。

『って、え！？』

扉に駆け寄りドアノブを捻るがびくともしない。

嘘でしょ＿＿閉じ込められた？
扉を叩きながら叫ぶ。

『鬱さん！いますか！？鍵がかかったのですが！』

扉に耳を当てても返事は無い。
まさか防音だなんて事は無いよね。

『とにかく、此処から出る方法を探さなきゃ』

扉や窓は勿論、テーブルやソファ、暖炉も部屋の隅々を見て回った。
そのせいかドレスは汚れ、髪も乱れてしまった。

あれから誰かが来る様子はちっとも無い。

そうだ。
閉じ込めたってことは何か理由がある筈。
てことは私が死んだら元も子もないよね。
じゃあご飯を持ってくる！
その時を狙って外に出よう。

『よし！これでいこ((ガチャ＿＿＿え』
「やあ、お待たせしてしまったな」
『っ…！』

タイミングが良いのか悪いのか。
扉が開くと同時に金髪赤眼の男性が入ってきた。
コンマ数秒遅れて扉めがけて走ると彼と扉の隙間を何とか通ることができた。

ドンッ

『は、』
「ちょ、駄目やん外出たら。てか何でそんなに汚れて…？」
『さよならっ』
「はあ！？」

部屋の外にいた高身長の男性にぶつかってしまったがお構いなしに走る。
本当だったらあのイケメンと踊れたかもしれないのかぁ。

でも舞踏会から帰ってきた女の子達は閉じ込められたなんて一言も…！

「はい、逃げちゃあかんで」
『！？』
「足速いなぁ」
『追いついた人が何を＿＿えっ』
「先回りしただけやで」

私の腕を掴んだのは正真正銘、鬱さんだった。