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甘い温もり ページ5

ベッドからやっとのこと這い出て、リビングへ向かう。
リビングのドアを開けた時、あたしはソファに人影を見つけた。

思わず駆け寄ると、そこには夢にまで見た彼の姿が。
寝息を立てて、帰ってきたままの姿で寝ている。


一瞬引っ込んだ涙が、また溢れた。


「ん…」

バタバタとした物音に目が覚めたのか、ゆっくりと瞼を開ける彼。

「あ、A…おはよ…って、なに泣いてんだよ」

さっきまで寝ぼけ眼だったくせに、あたしの泣き顔を見てそんな真面目な顔して。


馬鹿、馬鹿。


ぎゅっと、抱きつく。
愛おしさに身を任せ、首に手を回した。


「……遅いよ、馬鹿…っ」


泣きながら小さく言葉を呟けば、かすかに笑って背中に腕を回す。

「ごめんな」


髪を撫でられ、ぎゅっと抱きしめられる。
そしてそのまま唇を重ねた。

何回も何回も。
啄ばむようにキスをする。
愛おしさを噛みしめるように。
深く深く、お互いを確かめ合った。

「会い、たかった。」

「俺も。」

しばらくは、仕事入ってないから。一緒に、いような。

そんなセリフと共に、もう一度キスをされれば、頬を温かいものが伝う。

朝食は、なににしよう。
そうだ、とびっきり甘いフレンチトーストにしよう。
粉砂糖をいっぱいふって、ハチミツもかけて。


"朝ごはん、何食べよっか"
"フレンチトースト食べたい!"
"俺も今おんなじこと考えてた"


二人で窓を開け放せば、柔らかな朝の匂いが風と共に流れてくる。
朝日に目を細め、二人でキッチンへ向かう。


彼がベッドに潜る時を、あたしは知らない。それでもいい。あたしは彼を信じて待つだけだから。

窓から流れてくる風が、小さく笑った気がした。

あとがき→←甘い温もり



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設定タグ:西島秀俊 , 俳優 , 西島
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でぃぃお - 西島さん大好きです!!!キュンキュンしました! (2014年3月30日 2時) (レス) id: bbb2cc58e2 (このIDを非表示/違反報告)
ruri☆彡(プロフ) - 切なくて、きゅんきゅんしました/// 悠さんの独特の世界観に引き込まれました!! ぜひ西島さんで作品書いてほしいです☆ (2014年3月27日 23時) (レス) id: 6c1c87121c (このIDを非表示/違反報告)
黄染 - 西島さぁ~ん!カッケー! (2014年2月24日 19時) (レス) id: 96a3472333 (このIDを非表示/違反報告)
こみん - 西島さーん!大好きです (2013年11月17日 2時) (レス) id: bbb2cc58e2 (このIDを非表示/違反報告)
りんるん - 大好きな西島さんの小説、すごく良かったです♪キュンキュンしました!!よければ続編も見たいです。 (2013年9月22日 1時) (レス) id: 78c0a2380b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2013年7月12日 0時

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