蜘蛛女の糸~purple~ (ページ6)

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ふたり手を繋いで建物から出る。

左手の薬指にはお揃いのシルバーのリング。

「ねぇ、シンゴ。」

「ん？」

「本当によかったの？」

「何がや。」

「私、バツイチなのよ？」

「何言うてるん、Aじゃないとあかん。」

繋いでいた手に力を込めるシンゴに合わせ

私も強く握る。

ありがとう、シンゴ。

私を救ってくれて。

彼の呪縛から解き放ってくれて。

私は幸せよ、すごく。

実はね、あなたのこと

あの時が初めてじゃないの。

ゴミ出しのとき見かけたあなたに惹かれた。

それは恋愛なんかじゃなくて、

最初はただの私の奥に潜んだ雌の部分が疼いたの。

一度でいい、あなたの温もりに包まれたいって。

でもまさか、こんなことになるなんて。

心まで持ってかれるなんて思ってなかった。

こんなこと言ったら、

シンゴは八重歯を覗かせて笑ってくれる？

大きな瞳をさらに大きくさせて驚くかな。

これはまだ内緒。

もうすこしあなたのことを知ってから…

話すね。

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愛してるわ、シンゴ。

fin… ？