なんでこんな奴【T.N】 (ページ5)

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結構大事な試合の日。

キャプテンとしてみんなの体調から何まで全部管理する。

市内の人工芝での試合で、普段から学校の人工芝のグラウンドで練習してる俺らは結構有利。

1回戦目は余裕で勝てる相手。

2回戦も頑張れば勝てると思う。

サッカーはやっぱり応援の声も大切で、まず応援に来てくれてる外にいる人への挨拶、次に本部への挨拶、それからグラウンドに挨拶をする。

「今日はよろしくお願いします！」

応援の人に挨拶をしたら、上の方に見覚えのある顔を見つけた。

いや、見覚えは結構みんなあるんやけど、そんなんじゃなくて。

阿部や。

隣にいるのはお父さんかな。

友達と来たわけじゃないんや。

わざわざこの学校見に来たんかな。

ちょっと集中力が欠けて、色んな思考が頭を巡る。

あかん、集中しな。

一旦阿部から目線を外して恐らく2回戦の相手になるであろう中学の方を見たら、まだみんな外で喋ってた。

その中学には1人女子がいて、やっぱり孤立してて自然とそいつに目がいく。

.「A～！」

「おお！」

そいつが口を開いたと思えばそれに反応した阿部。

は？知り合い？

.「2回戦は多分Aの学校と試合やわ。」

「みたいやな。
そっち応援しとくな笑」

.「なんでやねん笑」

「だってこっち知ってる人おらんし。
そっちなら結構知ってるし。」

え、、

知ってる人おらんって言われたのが結構ショックで、テンションが一気に下がる。

しかもわざわざここ応援しに来てくれた訳じゃないんやん。

.「西村！足動かせ！
お前が動かないとチーム全体の雰囲気が下がるんだ！」

1試合目。

顧問に喝を入れられて、頑張って試合に集中する。

今は阿部のことは頭から消し去らないと。

まあ余裕で勝った。

2回戦目は予想してた通りあの中学。

阿部が相手を応援してる。

それだけでテンションが下がる俺は単純なんかな。