なんでこんな奴【T.N】 (ページ32)

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冬休みも遊んだり一緒に図書館に行って課題をやったり、阿部と会う機会はあった。

相変わらず男として見られてないけど、それも阿部の気遣いやって思うと耐えれる。

ちょっと時間もらっていいですか。

2回目の告白の返事は脈アリなのかなんなのか。

ちょっとって言われてもそのちょっとがどれくらいを指すのかは分からん。

私、西村さんが思ってる以上にめんどくさいですよ。

そう言われても、そんなん気にならん。

阿部がよく考えて動いてくれてるのも俺のために諦めさせようとしてくれてるのもよく分かってる。

だから、いくらでも待つ。

「どうせ、返事は直接言ってくれるんやろ？」

「そりゃ、直接告白されたら直接言うしかないですよ。」

「そういうとこも好きやわ。」

「そういうとこ好きじゃないです。
自分イケメンみたいな。
イケメンですけど。」

「意味分からん。」

相変わらずの低レベルな喧嘩とも言えへん喧嘩。

全く返事の予想がつかん阿部。

入試期間の5日間の休みには遊ばんかったけど毎日LINEして冗談言い合って。

もうこれ付き合ってるんちゃんって思えるくらい。

「あ、西村さん、なんか久しぶりですね。」

「やな。
LINEしとったからそこまで久しぶりな感じせんけど。」

「そうですか？
顔見るの久しぶりですよ。」

「それはそうやな。」

長期休みのときと比べたらそこまで久しぶりでもない。

でも、久しぶりって思ってもらえるような立場にはなれたんやって思うとちょっと嬉しい。

「旅行行っとったんやろ？」

「行きましたけど、西村さんにお土産はないですからね。」

お土産を貰えるのはまだ先かもな。