なんでこんな奴【T.N】 (ページ27)

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10月のテストも共に朝早く起きて頑張って、11月の文化祭もちょっと一緒に回ったりして。

やのに、

「なあ、俺ってそんなに魅力ない？」

阿部は何も意識してくれへん。

.「魅力なかったらそんな告られへんやろ。
てか、告られた直後にそれは嫌味。」

.「でも修学旅行で付き合った奴らって結構すぐ別れるらしいで。」

.「そういうこと言ってんちゃうわ。」

そう、修学旅行。

長崎まで来て告らんでもって思うけど、こういうイベントの雰囲気に乗せられて告ったりしちゃうんかな。

俺は阿部が好き。

そんなん、前からみんな知ってること。

やけど、阿部が俺を振った。

それもみんな知ってる。

「俺、阿部にモテんかったら意味無いねんけど。」

そんなこと言ったって阿部が振り向いてくれる訳ちゃうのは自分が1番分かってる。

一生大西さんに片想いでいいって言ってたし。

理想はサッカーやってる爽やか男子とも言ってたけど、俺を意識して言ってるわけじゃないやろ。

.「こいつもう彼女できひんわ。」

.「高校生なったらいい女子入ってくるやろ。
そこで出会い探し。」

.「いや、阿部諦める気ないやんこいつ。」

好き勝手言っとるけど、俺は絶対阿部を振り向かせる。

「でもさ、阿部と仲良くなれたからまあわんちゃん？
ほら、あんな気まづかったときと比べたらさ。」

.「どんまい西村。
それを男として見られてないって言うねん。」

「あ、そうか...」

せっかくわんちゃんって思ったのに落とすなよ。

泣くでホンマに。

「でも、ゆっくりでいいわ。
どうせ阿部誰かに取られることはないやろ。」

失礼やけど、うん、阿部しばらくは彼氏出来そうにないわ。

告られたとして阿部断るやろうし、仲いい男子...いるにはいたけど俺の方が仲いいし。

.「西村のポジティブたまに怖い。」

.「分かる。
サッカーやってたときもたまに怖いときあったわ。」

.「まあそれで成功してきたからええか。」

なんか言ってるけど俺には関係ない。

よし、明日は阿部にお土産買わな。