特級は身の丈にあわない【五条悟】

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Aside



消毒液のツンとした匂いで目を覚ました。気がつくと私は病院のベッドに横たわっていた。



任務に行っていたはずなのに。そうだ……任務。



『恵は？』



勢い良く起き上がると頭がズキズキと痛んだ。こめかみに手をやると、包帯が巻かれていた。ああ、私頭打ってたのか。



｢A、とにかく安静にしてないと｣



『硝子さん、私』



記憶に問題はないみたいだね、そう言って彼女は私がここに来るまでの経緯を簡単に話してくれた。



そんな時だった。



｢………っ！A！｣



声の方に目を向けると、白髪で背の高い男の人が立っていた。どうして、私の名前を知っているんだろう。



｢良かった………A、心配した｣



高専の人か何かだろうか。でも、何も覚えていない。



『今目を覚ましたばっかりで混乱してて……えっと、どこかで会ったことありましたっけ？』



そう言うと彼は驚いたような顔をしてから、天を仰いで目をおさえた。泣いてるんだ。でもどうして？私とは初対面じゃないか。



この人が誰だかはわからなかったけれど、この人の涙はあまり見たくないな、と思った。

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