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Aside
「おい、大丈夫か」
その言葉を恵からかけられるまで、放心状態で窓の外の流れて行く景色を眺めていた。
『ああ、うん。任務には持ち込まないから』
安心して、そう笑いかけた。つもりだった。
「泣いていい。無理すんな」
不器用な恵の優しさに、その言葉に、抑えていた涙が溢れだした。手で止めどなく溢れてくる涙を拭う。新幹線で周りに人がいるから、声を殺して泣いた。恵の手が私の頭と背中を優しくさすった。
『ごめん、もう大丈夫だから。ありがと』
涙がおさまった頃には、頭と目がぼーっとしていた。
「そんなに泣くならあんなこと言わなきゃ良かっただろ」
『でも、先生には私じゃ釣り合わないから。いいの』
引っ込んだはずの涙が、その言葉を口にしたとたんにまた姿をみせようとしていた。
「俺ならお前のこと泣かせない。俺じゃだめか?」
突然の告白に驚いて、涙はまた引っ込んでいた。
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かうみ(プロフ) - もちもちアイスクリームさん» コメントありがとうございます!更新頑張ります!ぜひこれからも読んでください! (4月20日 22時) (レス) id: 8c2286f190 (このIDを非表示/違反報告)
もちもちアイスクリーム(プロフ) - 面白かったです!!更新頑張って下さい!! (4月20日 7時) (レス) @page33 id: aa5605d5a8 (このIDを非表示/違反報告)
かうみ(プロフ) - 香楽さん» コメントありがとうございます!更新滞ってしまいすみません…これからも頑張るのでぜひ読んでください! (4月15日 19時) (レス) id: 8c2286f190 (このIDを非表示/違反報告)
香楽(プロフ) - 今後どうなるのか気になります!更新頑張ってください! (4月14日 10時) (レス) id: 8c47cbd327 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かうみ | 作成日時:2024年2月18日 20時