特級は身の丈にあわない【五条悟】

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｢A、僕がふざけて付き合ってると思ってたりする？｣



二日目、報告書を提出しにいった後、先生に引き留められてその質問をされた。ふざけてるとか、からかってるとかじゃなくて、恋をしたことがない私に同情してこの恋愛ごっこを興じてくれているんじゃないか、と思ってしまう。



『思ってないですけど……。でも、見えちゃって、先生のスマホ。女の人の連絡先たくさんあったし、私は替えのきく存在の一人なんじゃないかなって……』



｢Aには僕が本気なの伝わってないわけだ｣



コンコン、と扉を叩く音がする。五条先生、開けてください。という恵の声が聞こえる。ああ、そうだ。開けなくちゃ。というか私、鍵閉めたっけ。今開けます、そう言おうとしたとたん、先生の手が私の口を塞いだ。



｢今たて込んでるから後で来て｣



Aに勘違いされたままで帰せるわけないでしょ、そう私の耳元で呟いた後、先生は私の手を引いてソファーに座らせた。手は握られたまま。



｢これ、僕のスマホね。元カノとか、そういう関係だった人の連絡先粗方入ってるんだけどさ｣




おもむろにスマホをポケットから取り出して手に持った。瞬間、先生は空き缶を潰すように軽く、呪力でスマホを潰した。

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