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『……っていうことがあって。どうやったら好きな人ってできると思いますか?』
なんでも聞いてよ、そう言っていた無駄に顔のいい担任は驚いたような顔をこちらに向けていた。放課後の誰もいない、私と先生と二人だけの教室に、沈黙が流れる。
『やっ、ごめんなさい。そんなつもりじゃなくて……』
「きっかけなんてなんでもいいと思うよ」
なんでも、そう言われてもそのきっかけになり得るものがわからないのに。
「んー、例えば……」
そう言うと先生は私の座っている机に手をついて身を乗り出した。一瞬、視界が暗くなって少し不思議な感触を感じた。
それが私のファーストキスだと気づくのに少し時間がかかった。
「こんなんでもきっかけにするには十分じゃない?」
顔に身体中の熱が集まったような、そんな感覚。顔が赤いのが見なくてもわかる。
「でもさ、A。恋なんてしたって哀しいだけだよ」
あれ、なんだろう。今の。いつもの飄々とした先生とは違う、どこか寂しそうな感じ。
『それって「さ、Aももう寮帰んな。また明日ね」
ヒラヒラと手を振っていつも通り、飄々と教室を出ていった。
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かうみ(プロフ) - もちもちアイスクリームさん» コメントありがとうございます!更新頑張ります!ぜひこれからも読んでください! (4月20日 22時) (レス) id: 8c2286f190 (このIDを非表示/違反報告)
もちもちアイスクリーム(プロフ) - 面白かったです!!更新頑張って下さい!! (4月20日 7時) (レス) @page33 id: aa5605d5a8 (このIDを非表示/違反報告)
かうみ(プロフ) - 香楽さん» コメントありがとうございます!更新滞ってしまいすみません…これからも頑張るのでぜひ読んでください! (4月15日 19時) (レス) id: 8c2286f190 (このIDを非表示/違反報告)
香楽(プロフ) - 今後どうなるのか気になります!更新頑張ってください! (4月14日 10時) (レス) id: 8c47cbd327 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かうみ | 作成日時:2024年2月18日 20時