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スパークリングワイン ページ27
重いドア、暗めの照明。ひとつひとつのテーブルの上に置かれたキャンドルの優しい灯りが揺らめく。
引っ越す直前にクローゼットの奥から見つかったワンピースを着て、髪の毛も綺麗にした。
うやうやしい手付きでギャルソンがスパークリングワインをグラスに注いだ。周りのテーブルには男女2人組の、カップルらしき人たちが多い。私たちも、周りから見たらカップルみたいなのかな。なんて。
初めて飲むスパークリングワインは炭酸みたいで、口の中でシュワシュワ弾けた。
『今日は誘ってくれてありがとうございます』
恋人でもないのに。その言葉は喉まででかかったけれど、綺麗に飲み込んだ。鞄にはクリスマスプレゼントと称した新居の合鍵が入っている。
もったいないことをしたなと思うけれど、緊張していてあまり内容は覚えていない。甚爾さんからもらったピアスだけが私達がクリスマスを一緒に過ごしたことを物語っていた。
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作者名:かうみ | 作成日時:2024年1月13日 18時