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不完全なままで ページ26
朝、目が覚めると隣に温もりを感じた。
ああ、そうだ。昨日、あのまま。携帯を探して時間を確認する。朝の8時。大学に行くまでには幾分か時間がある。
布団から抜け出して服を着る。鏡に映る自分に残された昨日の痕跡。首もとに残されたそれに、絆創膏を貼った。自分から求めたとはいえ、実際に見てみると恥ずかしいものだ。
『あ、起きましたか。おはようございます』
「ん」
背中から腕が回って、私に甚爾さんの体重がかかる。このまま、今が続けばいいのに。名前のない関係でいい。完璧な愛なんて求めてないから、不完全なまま、愛されていたい。
「あ、クリスマスイブ、なんか予定ある?」
クリスマスは店のイベントがあるからシフトが入っているけれど、イブはもしかしたら、と思って予定をいれていなかった。
『ないです』
携帯のスケジュールにまたひとつ、彼の名前が増えた。
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作者名:かうみ | 作成日時:2024年1月13日 18時