お酒の飲み方【禪院甚爾】 (ページ18)

今日:9 hit、昨日:38 hit、合計:10,111 hit

影響でページ18

Aside

数日前、久しぶりに時雨さんが店にやって来た。いつもの席に、いつもと同じお酒を注文して座っていた。

｢Aちゃん、お酒飲めたっけ？｣

ここ最近、慣れたくてできるだけ毎日、少しずつだけどお酒を飲むようにしていた。時雨さんはそれを知らない。

『甚爾さんの影響で……あっ、』

お客さんの前で他のお客さんの名前を出すのはご法度、そう教わったのを今更ながら思い出した。

｢いいよ。だからあいつ最近仕事頑張ってんのか｣

甚爾さんが私のために仕事を頑張ってる、そう取れる言葉に少し、いやかなり嬉しくなった。

『そうなんですか。嬉しい』

｢でも気を付けなよ？あいつ女癖悪いし。家もあったかわかんねぇよ｣

『え、甚爾さん住む家ないんですか』

驚きだ。いつも駅のほうに歩いていくから、てっきり家に帰ってるものだと思っていた。

｢あ、泊めようとか思わない方がいいよ。手込めにされてきた人、結構いたっぽいから｣

わかりました、そう返事をしつつも部屋を見つけるまでの短期間ならいいんじゃないかな、なんて思ってしまう。