全ての始まり ページ1
ネオンが輝く繁華街。1本路地を入った先にあるいわゆるガールズバー。比較的ライトな接客内容のこの店で私は働いている。水商売と言われる部類なのかもしれないけれど、この店を私は結構気に入っている。
『時雨さん、お友達連れてくるなんて珍しいですね』
いつも私を指名してくれるお客さん。韓国出身らしく、結構端正な顔立ちをしている。隣に座ったのは口元に傷がある男。こちらもかなり綺麗な顔立ちをしている。
「仕事の。禪院甚爾」
「禪院じゃねぇ。伏黒だ」
『甚爾さん、初めまして。Aです』
そう言って渡した名刺は、他の人よりも幾らかシンプルで、先輩やオーナーにこれでいいの?と何度も確認された。一目みた後、彼はそれをポケットに入れた。
時雨さんはたまに、というかよくビジネスパートナーがどうとか、愚痴を言ってはいたが、見る限りかなり仲が良さそうだった。甚爾さんはさっきからかなり飲んでいるのに全然酔っている素振りが見えない。
「悪い、Aちゃん、俺たちもう帰るな。また来るから」
またお待ちしてます、マニュアル通りの言葉を告げて2人を見送った。
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作者名:かうみ | 作成日時:2024年1月13日 18時