10 ページ10
それから3日に1度のペースで宿儺様は私に会いに来てくれている。週に1度、花街の外に連れ出してくれるのもすごくありがたかったし、楽しかった。
そのせいで、と言うべきかお陰でと言うべきか、同じ店の子達にもあまり話しかけられなくなった。仲良くなりすぎると話してしまうかもしれないから、これくらいが丁度良い。それに、わかれるのが辛くなる。これまでいた花街だってそうだった。
いつも通り、服に香を焚き付けて、化粧をして、店に立つ準備をする。稼ぐようになってから、というかむしろ宿儺様が私のお客さんになってから、私に2人ほど、お世話係みたいな役割の人がついた。彼からもらった贈り物だとかを管理してくれたり、身の回りの管理をしてくれる、そんな人。
「Aさん。お客様がおいでになりました。」
『ありがとう。向かいます』
飽き飽きしていたこの世界に、彩りがついた。もう、逝くことは出来ないはずだった私に見えた希望の光である彼は、私を見るなり少し不機嫌そうな顔をした。
『ご機嫌、悪いですか』
「残穢が見える。貴様、誰かに抱かれたのか」
67人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
飴(プロフ) - 頑張ってください (12月25日 23時) (レス) id: 5dbd17dea3 (このIDを非表示/違反報告)
かうみ(プロフ) - 飴さん» コメントありがとうございます!これからも読んでいただけたら嬉しいです! (12月25日 23時) (レス) id: d9b84374c8 (このIDを非表示/違反報告)
飴(プロフ) - 続きが、気になる! (12月25日 13時) (レス) @page11 id: 5dbd17dea3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:かうみ | 作成日時:2023年12月15日 21時