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気づくとジュレイと呼ばれていた残骸も消え、裏梅もどこかへいなくなっていた。
「A、お前はどうしたい」
『この呪いを、解きたいです』
出来ることならばなるべく早く。この人生はもう、十分すぎるという言葉では足りないほどにたくさん生きた。
『願わくは、宿儺様の言葉で、私の息の根を』
手が伸びて、私の頬に触れる。下を向いていた私の顔が上に向けられ、彼と目が合う。
「ならばA。俺がお前の呪いを解いてやろう」
解呪の約束。今の私にとって、というか100年間、これ以上に待ち望んだ言葉はなかった。実際、数人にこの話をしたことはあるのだが、誰も例外なく気味悪がって私を避けた。
『ほんとうに、良いのですか』
「ああ。構わない。」
さっきまで激しい戦闘を繰り広げていたとは思えないほど穏やかな笑顔で頷いた。
「ただ、A」
名前を呼ばれて顔を上げる。先ほどとは少し違う笑顔で私を見つめていた。
「貴様はもう、俺以外には―――」
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飴(プロフ) - 頑張ってください (12月25日 23時) (レス) id: 5dbd17dea3 (このIDを非表示/違反報告)
かうみ(プロフ) - 飴さん» コメントありがとうございます!これからも読んでいただけたら嬉しいです! (12月25日 23時) (レス) id: d9b84374c8 (このIDを非表示/違反報告)
飴(プロフ) - 続きが、気になる! (12月25日 13時) (レス) @page11 id: 5dbd17dea3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かうみ | 作成日時:2023年12月15日 21時