愛の言葉で息の根を【呪術廻戦】 (ページ8)

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8　昔の話ページ8

それから兄の顔は火葬の時に1度だけ見たきりになった。今思えば、兄は母の事があまり好きではなかったのかもしれない。母に全くなつかない人だったから。そう思い込むことにした。

そして私は1人になった。

近所の人には、若いのにかわいそうだとか、誰か頼れる親戚はいないのかとか色々言われた。母の無口な性格がよくなかったから病気になったとか、父の祟りだとか根も葉もない噂も耳にするようになっていた。全く理不尽な世界だ。

それを聞くたび、｢愛されて死になさい｣という母の言葉が蘇る。

それが呪いだと気づいたのは、しばらく経ってからの事だった。

全く、老いを感じない。若々しくていいよね、と言われたことは多々あったが、私はそうは思えなかった。年相応の見た目で、年相応に生きていたかった。気味が悪いと言われ、私は村を追われた。

十数年経ってからだろうか、私は多分40くらいの年齢にも関わらず、見た目は15のままだった。

呪いなんだ。

私は初めてそれを呪いだと認識した。愛してくれる人を探さなくちゃ逝けない。そう思って、私は花街に足を踏み入れた。

それから、怪しまれない程度に複数の花街を転々とし、自分を愛してくれる人を探した。

本気になってくれる人なんて誰もいなかった。これが結論。