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翌日、私は1日お休みをもらって彼の仕事とやらに着いていくことにした。
花街から少し離れたところにある山奥。そこにはまがまがしい空気が立ち込めていた。自分の命に、手がかかる、そんな感覚。
「裏梅、こいつがA」
裏梅、と呼ばれていたのは綺麗な白髪をした少年だか少女だかわからない、端正な顔立ちの人だった。宿儺のお世話係だかなんだからしく、料理が得意だそう。
「A、そこで見ていろ。呪いの王とはなん足るかを」
そこに現れたのは人の姿をしていて、でもきっと、人じゃない何か。まがまがしい空気の正体なんじゃないかと思うほどに、肺にはいる空気が重くなる。
「なんだA。やはり見えるのか」
“見える”とはそいつの事なのだろう。次の瞬間、目の前に広がる炎と斬撃。
『綺麗……』
思わずこぼれた感動の言葉。その言葉に驚いたのか、2人の視線が私に集まる。みじん切りのようにされた人の形をしたものの残骸。出血していないようだから、やっぱり人ではないんだろう。
「やはりお前は他と違うな」
そう言って彼の胸に引き寄せられる。あれだけ激しい戦闘をしたにも関わらず、彼の心音は全く乱れていない。
「なぜ怖くない。前も言っていたよな、死は怖くないと」
『もう、100年ほど生きていますから』
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飴(プロフ) - 頑張ってください (12月25日 23時) (レス) id: 5dbd17dea3 (このIDを非表示/違反報告)
かうみ(プロフ) - 飴さん» コメントありがとうございます!これからも読んでいただけたら嬉しいです! (12月25日 23時) (レス) id: d9b84374c8 (このIDを非表示/違反報告)
飴(プロフ) - 続きが、気になる! (12月25日 13時) (レス) @page11 id: 5dbd17dea3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かうみ | 作成日時:2023年12月15日 21時