愛の言葉で息の根を【呪術廻戦】 (ページ3)

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｢座れ｣

上客のみが通される、私も1度も入ったことのない最も綺麗で整頓された部屋。彼が座った場所の正面の畳を叩かれ、向かい合う形で腰を下ろした。

｢なんだ、怖くはないのか｣

今までの女は怖がったのだがな、とケラケラと笑いながら再び私の頬を撫でる。

『死ぬのは怖くないですから』

もう、十分生きたさ。どうせ、今機嫌がよくて、私のことを気に入っていても事が過ぎれば殺されるんだろう。そういう人たちが何人もいたと念を押すように言われた。

｢面白い娘だ。安心しろ、お前を殺す気はない｣

今は、ということなんだろうか。それとも、これからずっと。いや、考えるのはよそう。今はただ、時間の流れと彼の一挙手一投足に身を任せればいい。

『いずれ、私に飽きれば貴方は私を殺すのでしょう？一時の気まぐれでも、ありがたいです』

今まで相手をしたどんな客よりも、楽しませてくれそうなそんな雰囲気を感じる。一時の気まぐれで、次の瞬間、私の首が胴と繋がっていなかったとしても。

｢わかっているじゃないか。｣

今日だけで終わらせる気はない。そう言ってから彼は私の着物に手をかけた。