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「貴様、誰かに抱かれたのか」
『抱かれてはない、です』
昨日、断ったにも関わらず、しつこく誘ってきた何度か足を運んでくれていた客がいた。呪いの王が気に入った人に相手をしてもらいたい、と。断ったら店の悪い噂を流すとか色々とわめいていたらしく、仕方なくそういうことをしないという誓いのもと、お酒を飲み、話をした。
そのときにきっと触られた跡が“ザンエ”として残っていたんだろうか。
「お前は俺の相手だけしていればいい、と言ったはずだが」
数週間前、確かに言われた。その時別の客だったが、多分それ以降来ていない。
『ごめんなさ、』
謝る隙もなく、気づけば彼は私の上に乗っていた。顔の紋様に視線がいく。目をそらしたくてもそらさせない、というような圧に負けて、目がそらせない。
「どこをどのようにどう触られた」
頬から首、腕、胸に順々に手が触れる。反対の手では器用に私の着物の帯をほどいていた。
「A、お前は俺にだけ抱かれていろ」
それからというもの、昨日私を尋ねた客が見かけられることはなかったという。
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飴(プロフ) - 頑張ってください (12月25日 23時) (レス) id: 5dbd17dea3 (このIDを非表示/違反報告)
かうみ(プロフ) - 飴さん» コメントありがとうございます!これからも読んでいただけたら嬉しいです! (12月25日 23時) (レス) id: d9b84374c8 (このIDを非表示/違反報告)
飴(プロフ) - 続きが、気になる! (12月25日 13時) (レス) @page11 id: 5dbd17dea3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かうみ | 作成日時:2023年12月15日 21時