こっち向いて2『阪神タイガース』

もう少しだけ#1 ページ27

初めて会ったときは、別に、

特別な感情なんて無かった、

あいつらを見守ってやろう、それだけだった、

だけど、あの時、

頼ってくれたのが心なしか嬉しくて、


A「頼りにしてよかったです！」


なんて、言われたらな、

でも、きっと、あいつは、

今、俺じゃない誰かを選ぼうとしてるから、

俺だって結婚してるから、そんなこと、

駄目だってわかってる、

強いて言うなら、大切な、

妹を奪われるような、そんな、


鳥谷「はぁ、どうしてんだろうな、あいつ」


まぁ、俺が出る幕じゃないことなんて、

知ってるから、

そう諦めかけていると、


A「鳥谷さんっ！」


後ろから、聞けるはずの無い、その声、


鳥谷「どうした？」


息を整えている、あいつを、少し動揺した目で見ていると、


A「しっ、晋太郎くんと良太さんに、！」


本当に、困っているのか、泣きそうな瞳に触れて、


鳥谷「告白されたのか、」


一生懸命、首を縦にふる、あいつ、


A「どうしましょう...私、まだ、答えなんて、」


鳥谷「だったら、二人も断れば？」


A「えっ、？」


鳥谷「いや、断らなくてもいいけど、もう少しだけ、応えなくてもいいんじゃないか？」



それは、Aの為というよりかは、

きっと俺の為、


鳥谷「お前が答えを出すことで、変わるけど、」


まだ、俺のもとから離れて欲しくないから、


鳥谷「もう、少しだけ、このままでいいんじゃないか？」


そう言って、抱きしめた、

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