プロ野球選手に惚れました 短編小説

会えた、会えない 西岡剛 ページ15

二軍施設とかあんまり来ぃへんかったから、

そっちのこととかようわからへんかったし、

怪我したことも、自分はなにやってんねん、って責めてた時期もあったけど、


北條「あっ、Aさんっ！タオル持ちましょうか！？」


A「ありがとー、でも大丈夫だから北條くんは練習がんばってー！」


今はあの声を聞けるからええな、なんて思ってしまう、

あいつに会えたことだけでもこの怪我は無駄や無かったって、


西岡「Aちゃん、ここにあるボールとかもそっち持ってたほうがええ？」


A「あっ！すみませんっ、あとで持ってくんで大丈夫ですよー！」


ほんま、真面目やなぁ、それに誰にだって平等やし、好きでもないやつに優しく接したり
そんなんやから、北條とかも狙っとるんやで？


西岡「や、俺が持ってたるよー、ちょうど終わったところやしー」


A「すみませんっ、助かります！」


そう言って笑顔を俺に見せるAちゃん、

そんな顔されたら期待しちゃうやん、


A「西岡さん、あの...怪我とか、大丈夫ですか...？」


西岡「ん？、あー、もうだいぶええな、早く一軍に戻らなあかんし」


A「そうですよね...」



急に俺から目線をはずすAちゃん



西岡「Aちゃん...？」


彼女はうつむきながら、


A「西岡さんが...一軍復活するのは嬉しいんですけど...ただ...」


どんどん顔が沈んでいくAちゃん、きっとその顔は真っ赤で、


A「西岡さんと会えなくなるって...寂しいなって、思っただけです...」


その言葉を聞いた瞬間俺はボールを入れたかごなんてそこらに放り投げて、

彼女を抱きしめた、

彼女が持ってるタオルが少し邪魔やったけどそんなことどうでもよくて、


西岡「寂しくなんかさせへんし、会いたいときに会える、そんな関係に俺はなりたいんや」




西岡「好きやわ、俺と付き合ってくれへん？」

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