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『「えええぇぇ…!?」』

予想外の展開にぶるりと身を震わせる

混乱する頭の中でなんでエルヴィンが俺達に言わなかったのかを考えたが

分からなかった




「…何故、今自分ら吉原の花魁が、ここに呼ばれたんでしょう…?」

「届け物をしてくれと頼まれただけなんですけど…」

片桐の質問に眉をぴく、と動かした北さんは

「あながち、間違ってはいませんね…貴方がたが今回の届け物です」

余り表情を変えずに言った



「うちらの店は今、人手不足なんです…

今まで働いとった遊者達が、旦那方と心中しはったり

足抜けが多くて…、しかも長年において店に貢献した者ばかり」

ここまで言うと北さんはため息をついた

表情からは感情が読めない



「やから、若手の育成に手は回らんし

色んな部分でお客に迷惑をかけるしで…」

話し方から今までの苦労が垣間見える



「それをスミスさんにお話したら、お2人を貸してくれると言うそうなので

ご好意に甘えて、若手の育成などの手が回らない所を手伝って頂こうと思って…」

…何となく、頭の整理がついてきた

取り敢えず、帰ったらエルヴィンを殴ろうと思う


「迷惑だと分かっているですが、どうしてもお願いしたいんです…」

「手伝ってはいただけないでしょうか…?」

そう言って、北さんは深々と頭を下げた


頭を下げた…?

『あぁ…!大丈夫です。頭を上げてください…!』

俺と片桐がそう言うと、北さんはゆるゆると頭を上げた

その顔からは、この店への強い思い入れが見受けられた

俺と片桐は目を合わせて力強く頷いた



『「北さん、自分達に手伝わせて下さい…!」』

北さんは聞くやいなや目を輝かせて言った

「本当にいいんですか…?」

俺と片桐は力強く頷いた

「ありがとうございます…!」

北さんの表情は安堵に色塗られていた





島原周辺を観光する事は出来ないけれど

そんなことよりもこっちをした方がいい経験になるし

何より、困った人を放っておけない質だからっていうのが大方の理由で

手伝う事にした



帰りが遅くなるかもなぁ…

遠くにいる弟達に思いを馳せた




____________

『帰ったら絶対エルヴィン殴る』

「俺もそうする」




_______
「でぃっきし…!」

「ちょっと番頭さん汚い…」

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設定タグ:ハイキュー!! , 進撃の巨人 , 男主   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:日紫喜 | 作成日時:2018年8月30日 14時

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