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再会 ページ16









「助けてくださり、ありがとうございます」



昔は何でもかんでも口に出して、俺のことだって呼び捨てにしていたAは、彼女の母や女学校の先生たちの成果か、完璧な淑女へと成長していた。









「友達を逃がして自分が食われそうになるなんて」



素晴らしい自己犠牲の精神だとわざとらしく笑う宇髄に、Aは少し口元に笑顔を浮かべる。







「鬼の存在は昔から知っておりました」



そしてもちろん、鬼狩り様達が来てくれるということもと凛とした声で話す。






「…しかし、やはり目の前にすると怖いものですね」



フッと力が抜けて倒れそうになるのを、俺はすかさず受け止めて、Aを抱き上げる。








「御二方が来て安心したせいか、

力が抜けてしまいました」



そう力なく笑うAに、俺は胸の音はまた早くなった。




Aを気に入ったらしい宇髄は、昔と雰囲気の違うAにまごつく俺と違って、積極的に話しかける。







「俺は宇髄天元。よろしくなA」


「宇髄様ですね」




そう互いに自己紹介をする2人の間に、余裕のない俺は急いで割り込み、宇髄にAとは古い仲であることを伝え、この後は俺に任せるように言う。








「…ふーん?


じゃあ俺はさっきの子ら探してくるから、

そっちは頼むわ」


「うむ!承知した!」



















「お久しぶりですね、煉獄様」


「ああ!そうだな!」



隣をゆったりと歩くAに合わせ、俺達は歩きながら会話する。








「そういえば、瑠火さんはお元気ですか?」



槇寿郎さんや千寿郎にも会いたいわと、可愛らしく笑を零しながら歩くAに俺は足を止める。







「…?」



返事がないことに気がついて俺を振り返ったAは、心配そうに近づいてきて手を伸ばしてくる。









「一体どう「亡くなった」






被せるようにそう答える俺に対して、今なんとおっしゃいましたか…?と、不安そうな顔で聞き返してくるAの瞳は、ゆらゆらと揺れている。









「母上は、3年前病気で亡くなられた」


「は、」




俺はAにどんな顔を向けてやればいいのか分からず、俯いた。









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設定タグ:鬼滅の刃 , 煉獄杏寿郎   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:西川あや x他1人 | 作成日時:2020年10月31日 13時

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