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「まず手掛かりを探さなくては」



炭治郎くんにも話した、杏寿郎との宝探しを始める決意を固めた私は、早速動きやすい着物に着替えて玄関に立つ。



彼が隠しそうな場所だけど、杏寿郎のことだ、簡単に見つけさせてはくれまい。



しかし闇雲に探すよりは良いかと、広い屋敷の中を端から端まで、掃除と同時進行で探し始めた。















「…全然見つからない」




朝から探し始めたというのに、既に夕刻。


私は探すのをやめて、少し冷たくなっているであろう洗濯を取り込みにいった。



















昨日、あれほど家の中を探したのだ。


杏寿郎のことだから、もしかしたら店先に隠しているかもしれないと街へ出る。









「あら、炭治郎くん」



数週間前に見たばかりの赤みがかった髪の少年に、任務帰りかしらと私は笑って近づく。






「Aさん!」


そうにこやかに笑う炭治郎くんは、私を見つけると急いで駆け寄って来てくれる。








「あっ!そうだ!

もしこの後用事がなければ蝶屋敷に行きませんか?」


「…お誘い嬉しいけれど、

急に行ったら、しのぶちゃんに迷惑じゃない?」






蝶屋敷には色々とお世話になっていた私は、友人であるその子の名前を呟くと、炭治郎くんはそれなら大丈夫ですと、嬉しそうに私の手を引く。









「しのぶさんにAさんの話をした時、

会いたいと仰っていましたから!」





そう楽しそうに話す炭治郎くんを静止し、私は街で蝶屋敷の皆に手土産を買う。





そして再度、炭治郎くんと歩き始めた。

















「そういえば、Aさんはどうして街まで?」


「宝探しですよ」



私のその応えに、以前言っていたものですね…と、少し悲しそうな顔をする炭治郎くんに、私は声を出して笑う。






「この世に彼の存在を感じられるだけで、

嬉しいものなのよ」



















蝶屋敷に着くと、炭治郎くんに引かれてある部屋に連れていかれる。



失礼しますと礼儀正しく挨拶して扉を開く炭治郎くんの先には、久々に見る紫がかった髪の毛。









「しのぶちゃん、お久しぶり」



そう椅子に座るしのぶちゃんに話しかけると、驚いたような顔で私の方を振り返った。



















「いきなりごめんなさいね」



そう謝る私の代わりに炭治郎くんがここまでの経緯を説明すると、嬉しそうにしのぶちゃんは顔をほころばせる。

蝶屋敷→←未来を託された者



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設定タグ:鬼滅の刃 , 煉獄杏寿郎   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:西川あや x他1人 | 作成日時:2020年10月28日 20時

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