来客 ページ6
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「ふふっ」
そんな千寿郎と、私は顔を見合せて少し笑い合う。
「兄もきっとそう言いましたよね?」
嬉しそうに話す千寿郎に、炭治郎くんはその言葉に覚えがあるのか、じっと私たちのことを見つめた。
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「父が見ていた書物には心当たりがあります」
炭治郎くんのヒノカミ神楽についての話を聞いて、何か思い当たったらしい千寿郎が部屋を出ていってしまうと、私たちは部屋に二人きりになる。
「…Aさんは、強いですね」
そう辛そうに呟く炭治郎くんに、私は微笑む。
「そう見えているのなら嬉しいわ」
「…へ」
私のそんな答えが意外だったのか、驚いたように声を漏らす炭治郎くんに、私はまた少し笑って、畳に視線を落とす。
「さっき、炭治郎くんが伝えてくれた
あの人が言った私への最後の言葉。」
できるだけ、ゆっくり後を追うように…と、言いずらそうに話してくれた炭治郎くんは、不思議そうに首を傾げる。
「あれね、杏寿郎さんとの約束なの」
「…約束、ですか?」
◇◇
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作者名:西川あや x他1人 | 作成日時:2020年10月28日 20時