唐突 ページ28
◇◇
ここからは単行本22巻までの知識で書いているため、原作と違うところがあると思います。また、ネタバレ等で見てしまった知識なども入るため、嫌な方は御遠慮ください。
◇◇
「…へ、
鬼舞辻無惨が、死んだ…？」
柱稽古から数日、突然その転機は訪れた。
「あの、鬼の始祖が死んだというのですか？」
「そうだ。後に鬼殺隊も解散する」
なんと言ったらいいのやら。
産まれてからずっと、当然だと思っていた自然の摂理が壊された。
凄い、とうとう人間が鬼に勝ってしまったのか。
「…柱の皆さんや鬼殺隊の剣士の方たちは」
「鬼舞辻無惨を倒したんだ、
無償とはいかない。」
昨晩、突然刀を持って家を出ていった槇寿郎さんは、恐らく鬼殺隊に何かしら貢献していたのだろう。
歩きはじめる槇寿郎さんに、コソコソ着いていくように話を聞いていると、槇寿郎さんはピタリと足を止める。
「輝利哉様から聞いたお話によれば、
柱では冨岡義勇、不死川実弥が重体ではあるが生存。
剣士は何百人と死んでしまったが、
杏寿郎の…あの小僧共は生きているそうだ」
「…そう、ですか」
私が予想していた被害の比ではない。
もちろんそれ程の犠牲を払わなければ、無惨を倒せるとは思っていないが、あの柱達でさえ2人しか生き残っていないなんて。
自分の考えがどれ程甘かったのかと、自己嫌悪に陥っている時、槇寿郎さんはあの人そっくりに眉を下げて、私の頭にポンと手を置く。
「友の死を悲しむのも大事だが、
彼らは自分の為に、皆の為に命を懸けて戦ったんだ」
「…っ」
お前は、彼らの代わりに胸を張ってあげなさい。
そう優しい声色で私に伝え終わると、槇寿郎さんは少し寝ると言って部屋に入っていった。
「…私も、何か力にならなくては」
◇
「お邪魔します」
そして、来たのは蝶屋敷。
朝早くから、指南書の復元を試みる千寿郎には、蝶屋敷にいることはきちんと伝えてある。
「あ！煉獄様、待っておりました！」
私が戸を開けてすぐ、こちらに気がついた隠の人が、怪我人を運びながら私に挨拶してくれる。
「2階に運ばれた剣士の手当をお願い致します！」
「はい、了解致しました」
隠の方から指示を受けた私は、急いで階段を駆け上がり、清潔な服に着替えて髪の毛をキツく結び、入念に手を洗った。
◇
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1027人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：西川あや x他1人 | 作成日時：2020年10月28日 20時
