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柱稽古 ページ25

◇◇









「…誰だ、あの人」


「あんな綺麗な人初めて見た」




蜜璃ちゃんから、今度柱の皆さんが一般隊士に稽古をつけるという柱稽古を始めることを聞いたため、私がぜひ何か手伝わせてくれと話すと、数日後に鴉で文が送られてきた。


その手紙には、各柱が稽古をしているという柱の方たちの屋敷の場所が記されており、私は早速、歩きで行ける範囲内で一番近い御屋敷へと向かった。









「なんでこんなことも出来ないの?」


「「すっすみません!」」



そっと道場の中を覗いてみれば、隊士達の中心に立って稽古をつける時透くんの姿が見える。








「だから、もっと低くって言ってるでしょ」




指導中のようだし、邪魔したら悪いと一旦外に出ようとすると、足音で気づかれてしまったのか、時透くんが一瞬で目の前に現れる。







「ちょっと、いつまでそこに…って、え!?」


「こんにちは、時透くん」



挨拶をする私に対して、Aさん!?と大きな声で私の名前を呼ぶ時透くんは、驚いたような顔をしてすぐ、嬉しそうにニッコリ笑顔を浮かべる。







「来てくれたんだ!!」


「稽古中お邪魔してしまってごめんね」



手伝いをしに来たことを伝えると、長い髪を揺らしながら、可愛らしく喜ぶ時透くんは、以前より随分印象が変わったように見える。









「ねぇAさん!僕、記憶取り戻せたんだ!」


「…!!」



時透くんのその言葉に、嬉しさと驚きのあまり、感嘆の声をあげて口元を隠せば、そんな私を見て時透くんは更に笑う。







昔から面倒見のいい杏寿郎は、時透くんが柱になる少し前から、何度か煉獄家に連れてきたことがあった。


元々良い子ではあったけれど、記憶を取り戻してから前より沢山笑うようになった彼の、元気で快活な姿に思わず涙ぐんでしまう。








「…私も、本当に嬉しいわ」



そして、良く頑張りましたと時透くんの頭に手を伸ばそうとすれば、ふと後ろの隊士達の視線に気がつく。



誰だ誰だとヒソヒソ聞こえる声に、私はハッとして何をしに来たのかを思い出した。












「…申し遅れました、私は煉獄A。

今日は霞柱、時透様のお手伝いをしに参りました」



















責務→←親しい友



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設定タグ:鬼滅の刃 , 煉獄杏寿郎   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:西川あや x他1人 | 作成日時:2020年10月28日 20時

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