蝶屋敷 ページ12
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「炭治郎くん、入るわね」
しのぶちゃんと話し終えた後、私はコンコンと炭治郎くんがいるであろう部屋の扉を叩く。
中はとても賑やかで、私は水を差してしまって申し訳なく思いながらそっと顔を出すと、中にいた3人の動きがピタッと止まった。
「炭治郎くん、私そろそ」
「えええええええええ!!!!」
キーンと耳に響くその声に、私は思わず耳を塞ぐ。
先程まで、私を見て固まっていた金髪の少年は、奇声をあげてすぐ、炭治郎くんに迫る。
「炭治郎おおお!!誰だこの美人な人はぁぁあ!」
「ん?なんだお前!!弱っちそうだな!!」
そう言いながら、飛ぶように私の方に向かってくる2人の少年。
そんな2人を炭治郎くんはギリギリのところで袖を掴んで抑制すると、私に申し訳なさそうな顔を向けた。
「やめろ、2人とも!!」
猪の被り物をしている子は子分にしてやると突然私に指を指す。
そして、結婚してぇぇぇと金色の髪の子が私に手を伸ばすのと同時に、すごい勢いの足音をさせて隠の人が現れた。
「っおい、失礼だぞ!この方は元炎柱様の奥方だ!」
バンっと大きな扉が開く音の後、そう紹介してくれる隠の方。
そんな彼に労いを込めて少し笑えば、先程の2人の少年はぴたっと動きを止めた。
「…ぎょろぎょろ目ん玉の」
「あら、杏寿郎さんはそんな風に呼ばれていたの?」
ふふっと面白くて笑いを零せば、先程まで結婚だなんて言っていた少年がパシッと猪の被り物をする彼の口を塞ぐ。
「Aさんすみません!」
「いいのよ、2人ともとっても元気ね」
もう一度笑顔を浮かべて2人に顔を向けると、猪の被り物を被る少年がビクッと震えた。
◇
「こっちが、善逸と伊之助で」
こちらが煉獄さんの奥さんのAさんだ!と、炭治郎くんが間に立って紹介してくれる。
この2人も煉獄さんと同じ任務で無限列車にいましたと話す炭治郎くんに、私はそうですかと笑いかける。
「…あ、そうだわ!」
神妙な空気が漂ってしまったため、私が空気を変えるようにそう声を上げると、3人の視線が集中する。
「みんなは
柱の皆さんにもうあったことあるのかしら?」
杏寿郎と合同任務を行く程だから、階級も上の方だろうと話を振ると、炭治郎くんだけは全員と顔を合わせたことがあるようだった。
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作者名:西川あや x他1人 | 作成日時:2020年10月28日 20時