台本 ページ21
台本が届いた。
何かは全力で察して頂きたいが、オーディションを受けた舞台の台本だ。
シンプルに合格したということである。
少しずつ実感していくその事実をゆっくりと 噛み締める。
「...っし。」
今は、高橋やみずきくんが俳優活動を増やしている。
だから、俺の取り柄のひとつが追い越されて行きそうな焦燥感を多大に感じていたのだ。
そう考えると、俺っていつも焦っているな。
舞台が決まったことがすっごく嬉しい。
でも、
最近度々感じるこの焦りがどこから来るものなのか、
自分でもわからなくなってきた。
置いていかれないように。
足を引っ張らないように。
はいはいの歩みを俺が止めることがないように。
そう思うのは事実だ。
それは、なにを目的とするんだるう。
もし、この先にある何かを目的としたならば、俺の求めだこの舞台も手段に成り下がってしまう。
それは違うな。
そうであってはならない。
ファンは何を目的にする?
俺らの舞台とかを見ることを手段として何かを望むか。
否。
きっと、見ることが目的なんだ。
見ることで感動すること、自分の推しを見て幸せになること。
俺に全ては分からないけど、きっとそうだろう。
ならば、舞台を手段にしてしまうのはお客さんに対する誠意が足りない。
考え方を変えないとな...。
ぐっと自分の気を引き締めるのだった。
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作者名：渚 x他1人 | 作成日時：2020年1月16日 17時
