好き、なの (ページ12)

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『深田、くん』

深田くんが体を離して、顔をのぞいてくる。

深田くんの顔も赤かった。

『まって、顔、赤い』

深「ふふっかわいい」

『深田くん、顔まっか。熱あるよね？』

深「え、そぉ？」

『ほら、熱い。ベッドどこ？』

深田くんをベッドに寝かし、体温を測る。

39.6℃と表示される。

手を握ると温かいし、汗もかいているので熱が上がりきったのだとわかる。

薬を飲ませて、冷たいシートを貼り、寝てもらう。

寝顔を見つめる。

綺麗な顔だな。

胸がキューっと締め付けられる。

あぁ、好きってこういうことを言うのかもしれない。

昔誰かから聞いた好きのサイン、胸が苦しくなること。

あぁ、この胸の感覚のことだ、と直感する。

到底この気持ちは忘れられそうにない。

私、どうすればいいの。

混乱した頭で、ご飯を作ってメモを書く。

材料買ってきてよかった。冷蔵庫空っぽなんだもん。

'食べれそうだったら食べてね。お大事に'

深田くんの家にいる間は気持ちが落ち着かなかった。

これ以上ここにいたら私は狂ってしまう。

でも、ここにいたい。

これ以上好きになってはいけない。

帰りたくない。

気持ちを忘れないと。

そばにいたい。

もう、おかしくなりそう。

ご飯とメモを見えやすいところに置いて足早に家を出た。