好き、なの (ページ11)

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気づけば桜が散り、新緑が眩しく感じられるようになった今日この頃。

講義中にDMが届いた。

"たすけて"

気づいたら体が動いていた。

講義中だというのに講義室を飛び出して連絡をとる。

　"深田くん？どうしたの大丈夫？今どこにいるの？"

"家。体調悪くて、"

　"お家どこ？"

"ここ、〇〇…△△"

　"分かった。待っててね"

居ても立っても居られなくなってひたすら走った。

大学の近くの綺麗なアパートの2階の端の部屋に着く。

深田くん、一人暮らしなんだな。

手には途中で買ったスポドリやらゼリーやらが入った袋。

勢いで来ちゃったけど、大丈夫かな。

上がる息を整えて、頭を整理する。

私は深田くんのことが好きなわけではない。

友達として心配で来ている。

買ってきた物渡したらすぐに帰ろう。

そう自分に言い聞かせて、チャイムを鳴らす。

深「、、、、はい」

『あ、深田くん？だいじょう、ぶ』

目の前が見えなくなる。

高い体温を感じて状況を把握した。

私、今、深田くんに抱きしめられている。

心臓がドキッとして、鼓動が早くなる。

顔が赤くなってくるのを感じる。