【短編集】ほしのかけら

世を統べる人間を ページ33

「おはようございます。会長」

「おはよー」

私、水野ななは、世統(せとう)学園の生徒会長だ。
この学校は、名前の通り、
世を統べる人間を作り出すという目的があり、
全てが成績中心に回っている、少々変わった学校である。

「会長は朝から元気ですねー」

と、気怠げにこちらを見てくるのは、
副会長の山辺そういち。
私とは毎月のテストで成績を競い合っている。

「山辺が元気ないだけだろ。
では業務連絡を少々。」

するとみんなの背筋が心無しか伸びたような気がする。

「先日、下の中等部2年が、中の中等部3年に逆らったよう。
さて、処分はどうしようか」

下、中は、この学園でのカーストの事だ。
成績が特に悪いものを下と呼び、
真ん中程度のものを中と呼ぶ。
くらいが下のものは、
上のものに絶対服従が、この学校の校風である。
すると書記の前川が手を挙げた。

「まず、基本的に、学年が上の者には逆らってはいけません。
さらに、2年は下。下が中に逆らうとはあってはならないこと。
……なので、最下層に引き下げはいかがでしょう？」

ざわり。と、生徒会室が動いた。
成績以外での引き下げ引き上げは基本的に、行われないからである。
しかし、私は面白い案だと思った。

「うん。そうしようか。黒ピンを。田中」

会計の田中が、近くの箱からピンを出す。
最下層の人間は制服の胸ポケットに黒ピンを刺すことが、決められている。

「俺がいってきましょうか？」

私は首を降る。

「私に任せろ」

と、私は生徒会室から出た。

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今回は結構長くなってしまいました。

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