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・ - s i n j i r o -
裏口から出て、すぐに彼女を見つけた。
「俺も、覚えてるで…!」
彼女の腕を掴んで、そう言った。
緋山 A。
俺の幼なじみで、初恋の人。
ずっと会いたかった人。
A「え…」
目を大きく見開いて驚いているAに、優しく微笑みかける。
「え…」
思わず声が漏れてしまった。
だって、彼女の目には涙がいっぱい溜まっていたから。
溢れ出した涙がすうっとAの頰を伝った。
A「真司郎…!」
久しぶりに彼女に呼ばれた名前。
細くて、今にも折れそうな腕の感触。
全てが懐かしかった。
A「覚えてて、くれたの…?」
「忘れるわけないやん…」
俺がそういうと、Aは涙でぐちゃぐちゃの顔のまま笑った。
ひどい笑顔だった。
「とりあえず、楽屋来てくれへん?」
ここで話しているのはかなり危ない。
それに、TSの会場をほったらかしたまま来てしまっている。
A「あ、うん!」
Aは慌てて涙を拭いた。
「行こ。」
A「うんっ…!」
止まっていた時が
ゆっくりと動き出す____
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じろなお - 今後の展開が気になりますね (2018年5月14日 0時) (レス) id: 45f78a918e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Remon | 作成日時:2018年5月6日 19時