二十一話 ページ22
売った？いつかやろうかとは考えていたがした覚えはない。騙した？なんのことだ？
男は知らぬ奴の罪を着せられたと思った。
(俺の名を語るやつがいる！なんてことをしてくれやがるんだ)
「そ、それは俺じゃねえ！誰かが着せた濡れ衣だ！俺は悪くねぇ！」
「しらを切るんじゃねぇ！お前だよ！お前が嘘の情報を売ったせいで！」
客はそう言って男に向かって銃を撃った。
「ガッ！」
男は撃たれた足を押さえることもできずに襲い来る激痛に唇を噛んで耐えた。急所に打てるにも関わらず、撃たないのはじわじわと痛みを与えたいからだろう。
「お前が！お前が！」
客はそう言ってまた撃った。
今度は横腹を擦っただけだった。
「あがっ！」
男は涙を流しながら無様にも敵に情けを求めた。
けれども客は許すきなどはならからなかった。
徐々に徐々に傷を与え、悲鳴も出なくなったところで客はその場所を棄てて出ていった。
誰かが言った。
死は救いだと。
それは本当だろう。
男は気絶するまで一撃での死を求めた。
「‥‥ぶ‥か」
「‥‥‥い？」
男は優しい声かけに徐々に意識を覚醒させた。
「いっ！」
目覚めたところで忘れていた痛みを動いたことで思い出してしまった。
「大丈夫かい？」
思い出した。男に話しかける彼は男から情報を買った者だったのだ。あの、珍しい宝石を受け取ったので覚えていたのだ。
「ひ、ヒィ！ゆ、許してくれぇ！」
男はまた情報が間違っていて報復に来たのではと恐れた。
しかし、返ってきた反応は
「えぇ、許しますとも。だって貴方の情報が誤っているのは知っていましたから」
「‥‥‥‥え？」
男は予想しない返答に言葉が出なかった。
「貴方の情報はあっていた。しかし、鮮度が足りなかった。だから情報は、間違いになってしまった。調子に乗っていた貴方には調度いい罰でしょう？」
「は？」
男は痛みすらも忘れていた呆然とした。
それはつまり男は罠に嵌められたことになるのだから。
「貴方は私のテリトリーで暴れまくって勝手に調子に乗った。私も許せないことがあるんですよ。だから‥‥」
‥‥‥罠に嵌めました。
噂でなら貴方は気づくことができるほど有能なはず。それが私のテリトリーだから他の者が勝手にできない情報を売った。それが貴方だ。
そう、続けざまに言った。
男はバレた事実に恐怖した。
男の噂は他人の偽りだったのだから。
男は目の前の彼が男より格上だと、ようやく気づいたのだった。
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nisenyanko(プロフ) - コメントありがとうございます！展開は秘密ですがいずれそうなればなーと思っています。これからも頑張るので続き楽しみにしててください！ありがとうございます！ (2018年12月26日 23時) (
レス) id: 027a8e152b (このIDを非表示/違反報告)
穏無(ナゴム)(プロフ) - コメント失礼します！この作品、とても大好きです！すごい続きが楽しみです！弟とは再開できるんでしょうか？……もしかして弟の聡明さから探偵になってたり、とにかく続きが楽しみです！頑張ってください (2018年12月26日 21時) (レス) id: 9a610d9bc1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：nisenyanko | 作成日時：2018年12月25日 22時
