二十話 ページ21
今回の客はとあるマフィアについての情報を買った。売った情報が明日の会合について。きっとそのマフィアの同盟を気に食わない別組織の人間だろう。
男はそう考えてまたほくそ笑みを浮かべた。
男にとって男から情報を買ったことすらも商品になる。また売る情報が手に入り、そしてコレクションが増えると喜んだ。
男は手に取った先程の客から代金として受け取った宝石を眺めた。
今日はたくさん増えたな。客も持ってるやつが多かった。これはついている。
男は慎重だった。
けして自分のテリトリー、つまりこの店以外ではやり取りをしなかった。
客もあのやり取りをしなければ受け入れなかった。
だから男は今日も裏で生きているのだ。
確固たる自信を持って強者として生きているのだ。
だから気づかなかった。
とある客から受け取った宝石は大変珍しいものだったが、その宝石の意味を。
男は痛みに目を覚ました。
ハッ！と目を覚ますと辺りを見回した。
男は戸惑い、おおいに困惑した。
何故なら男は部屋で寝ていたのだ。寝相が悪くない男はあり得ぬ痛みに恐怖を抱いた。
男は寝てはおらず、椅子に座る形で縛られていた。いる場所も男のテリトリーではなく見知らぬ部屋だった。
「おい、目が覚めたか？宝石商人さんよぉ」
上から気だるげなしかし、怒りを含んだ声が聴こえた。男は地面を見ていたが上、つまり前を見上げるとそこには最後に来た客の姿があった。
「お、お前は！おい！早く放せ！俺にこんなことをしてどうなるかわかっているのか！」
男は脅しをかけた。宝石商人としての噂が男を司とでも思ったのだろう。余裕そうにけれども隠しきれない恐怖が大声に隠れた震えに表現されていた。
「どうなるか？さぁな？俺は知らねぇよ。だが、知らねぇとは言わせねぇぜ？お前がどうしてこうなっているのかな！」
最初は落ち着いていた客の声はだんだん大きくなり、怒鳴るように言った。
男は恐怖した。何故、こんな目にあっているのか。何故、男に原因があるように言うのか。恨まれることなど心当たりはなかった。
だから男は何も答えずに答えられなかった。
簡単に答えて間違って客の神経を逆撫でて殺されたくはなかったからだ。
しかし、そのだんまりも客にとっては苛つかせる行動の一つでしかない。
「お前が俺らを騙したんだろうが！お前が俺たちのマフィアを売ったんだ！」
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nisenyanko(プロフ) - コメントありがとうございます！展開は秘密ですがいずれそうなればなーと思っています。これからも頑張るので続き楽しみにしててください！ありがとうございます！ (2018年12月26日 23時) (
レス) id: 027a8e152b (このIDを非表示/違反報告)
穏無(ナゴム)(プロフ) - コメント失礼します！この作品、とても大好きです！すごい続きが楽しみです！弟とは再開できるんでしょうか？……もしかして弟の聡明さから探偵になってたり、とにかく続きが楽しみです！頑張ってください (2018年12月26日 21時) (レス) id: 9a610d9bc1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：nisenyanko | 作成日時：2018年12月25日 22時
