ニセの歌姫は荼毘に付す【ヒロアカ】【ONEPIECE】 (ページ11)

今日:7 hit、昨日:15 hit、合計:20,459 hit

11曲目【少年はおれの娘と同じ色】ページ11

緑谷side

「あっ、お前!!」

「俺...ですか?」

「シャンクスー!!」

突然、ルフィさんは轟くんを指差すと大きな声でシャンクスさんを呼ぶ。

「どうしたルフィ.........っ!!!?」

呼ばれたシャンクスさんは、轟くんを見るやいなや目を見開いていた。それはもう、瞳がこぼれ落ちるぐらいには。

そして呆然とした様子で、小さく呟く。

「ウタ....」

「えっ?」

ウタ? 誰かの名前かな...

「シャンクス。こいつはウタじゃねぇ」

「あっ、あぁ」

「俺は轟焦凍です」

「そうか焦凍か。すまない、少し動揺した」

さっきまでの強者感溢れた雰囲気はどこへやら。泣きそうな表情のシャンクスさんの姿がとても小さく思えた。

何だか気まづい空気になってしまったけど、聞かずにはいられない。

「あの、ウタっていうのは」

「おれの、娘の名前だ」

「「っ!!!」」

シャンクスさんの、娘さん

「焦凍の髪色が、あまりに娘と似ていたものでな。一瞬アイツかと思った。お前は男なのに、失礼だった。」

「いえ、そんなこと気にしません」

「ハハッ、良い奴だな」

シャンクスさんは笑顔を見せると、轟くんの頭を乱暴に撫でる。

「ウタと同じ色だったから思わずシャンクスを呼んだんだ」

「ルフィさんも、そのウタさんのこと知ってるんですか?」

「あぁ!!シャンクスとは昔(・)からの付き合いだからな。もちろんウタのことは知ってるし、大切な友達だ」

聞けば、ウタさんは轟くんと同じように赤と白が半分になった髪色らしい。よく見れば配色はウタさんと逆だったみたいだけど、確かに珍しい色だから既視感を覚えるのはしかないと思う。

そう言ったルフィさんも、顔は笑っているのに数分前までの活発さは消えていた。シャンクスさんのように、その表情には悲しみを帯びている。

どうして2人が悲しそうなのかは、わからないけど。

「人のこと見て勝手にセンシティブになってんじゃねぇよ」

「あぁ、そうだよな。」

空気を察知したかっちゃんが釘を刺すと、シャンクスさんは再び轟くんに謝罪を入れていた。そしてルフィさんも大きな声で「ごめんな!!」と言うと、轟くんは居心地悪そうに頬をかいた。

「いや、ほんとにいいんで」

「詫びになんかメシでも一緒にどうだ?」

「それならサンジのメシだ!!!」

「え、」

「サンジは食堂にいるからよ!!よし行くぞ!!」

「ってことでショータ。授業は終わりな」

「.....ふざけるな!!」

.