ニセの歌姫は荼毘に付す【ヒロアカ】【ONEPIECE】 (ページ2)

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2曲目【受け入れないワタシ、イカれた彼】ページ2

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「おい、起きろ」

「ん....」

目を覚ませばすぐそばには水色の瞳。焼け爛れた皮膚のせいで分かりにくいけれど、少し呆れたような表情の彼は覗き込むようにワタシを見つめていた。

「とう...」

「おっと、今は客の前だ。それは言ってくれるなよ」

突然を口を塞がれて彼から視線を外すと、ワタシ達がいる古い倉庫の出入口の前には闇深いこの世界に不釣り合いの深紅の翼を背負った男が立っている。

個性社会においても、この特徴がある人間はそういない。嫌になるくらいには男に見覚えがあった。それは今夜の彼の待ち合わせ相手というだけではなく、日本でもはや知らない国民はいないという意味でだ。

「ぐっすり眠っていたようだけど、それって少しは信用してくれてたってことでいいのかな」

「さっき言ったろ。No.2をいきなり信用なんざしねぇ。コイツが警戒心なく寝ていたのも、寝かせておいたのも、俺がいたからだ。」

彼のその言葉に翼の男、ホークスは眉を顰める。

「...随分な自信だ。」

「当たり前だろ。万が一お前が何か仕掛けてきたとしても、俺ら(・・)はヘマしねぇよ。」

「俺ら(・・)、ねぇ...。ま、彼女が何者なのか今回は聞かないでおくさ。あまり深追いして嫌われたら悲しいからね。次の機会に取っておくよ。」

「あっそ。それじゃまた連絡するよホークス。....行くぞ」

「うん」

出口に向かって歩き始めた彼の後を駆け足で追う。

すれ違いざまに見たホークスの表情は、確かにヒーローとは言い難いぐらいに厳しいものだった。

何を考えてるのか、わかったものじゃない。

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「あぁ...あいつか、スナッチ」

「だれ?」

「俺が殺したヒーロー。九州でアイツ(・・・)がなんか言ってたから、誰だっけなぁって」

「そのスナッチがなんなの?」

「死ぬ間際に遺族の気持ちがどうとかって言ってたなぁ」

「....そう」

ヒーローの言葉は、いつだって正しいのかもしれない。そんなのわかってるんだ。

ワタシは決して、言い聞かせるように浴びせてくる綺麗事の数々を、全て理解できないわけじゃない。

ただ...受け入れないだけ。

今隣で血の涙を流す彼を、守るために。

透明な涙を二度と流せない彼と、一緒にいるために。

「そんなこと言われなくても、ずっと考えてきたものね。燈矢は」

「ハハ...そうだな。考えすぎて、イカれたよ」

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