９８話 ページ3
ゾム様とは大先生ほどの友好(？)関係を築けている最中、再び私の前に悩みが立ちはだかり私を追い詰めた。
ナイフを振っても降っても上達しない、身に染みない。
何度対人戦の基礎の立ち回り方をやっても動きはぎこちなく馴染むことがない。
終いには、ナイフを持つ手のマメが潰れてしまい汗が滲み痛くて握ることも困難な状況だった。
『な、なんでぇ…』
何度やっても同僚のように上手くいかない。
やっと追いついたと思った同僚は私がステップを踏んだ次の日に更に先輩から褒められて更に次のステップへと進んでいた。
これでは初期と変わらない…また、置いてきぼりだ(まだチラホラとは残ってはいるけれど)
『はぁっ、はぁっ…くっそ！』
思い通りにいかないモヤモヤをナイフへとぶつける。
悔しくて投げたナイフは意外にも落ちていた木の枝へ見事命中するのだった。
これには驚く。
暑さ1cmにも満たない細い枝にナイフが丁度突き刺さった形となるんだから。
投げナイフは得意なのだろうか？いや、きっと偶然だ
『んなわけ』
急に自分の才能は投げナイフだと思ったが、そんな美味しい話なんてあるわけがない。
現実に戻りナイフを引き抜いてもう一度先輩に教えられた基礎的な型をエアでやってみる
『ッ！……？』
ああ、まただ。
上げていたナイフを下ろし辺りをキョロキョロと見渡す。
何もない敷地、建物も数十m先にあるが人が一切見当たらない…まぁ、夜間だから仕方がないんだけれども。
薄暗い電燈の光が四方八方にあり、だだっ広い敷地を照らしているだけ
『…誰？』
夜間の自主トレをし始めた当初から時々感じていた、観察するような視線。
最初は一週間に一度ほどだったのに、最近はほぼ毎日感じている
時間も視線の位置もバラバラ…しかし困ったことにわかっていることが一つある。
それは、別に嫌な視線じゃないというもの。
不快な気分にもならない、舐め回されているような視線じゃない…
どっちかというと見守っているような優しい視線。
最初は隊長かと思い聞いてみたが知らないの一点張り。
副隊長にも聞いてみたが首を振られた。
アル兄さんかなと思ったがこんな物腰柔らかい見守る視線を彼から感じたことがないから違うんだと思う。
そして、ずっと引っかかっていることがある。
見覚えあるこの感じ…どこだかは明白には思い出せないけれど、自主トレしていない時、一度感じたことあったがそれがどこか思い出せないでいた。
どこだったっけなぁ…。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2119人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
にろ。(プロフ) - 店員です！さん» コメントありがとうございます！そう言っていただけてすごく嬉しいです！！これからもこの作品をご贔屓によろしくお願いします！ (2020年9月2日 21時) (
レス) id: b75158f124 (このIDを非表示/違反報告)
店員です！ - 下のコメントとにかく内容がぐちゃぐちゃで申し訳ないです、、すみません、文字数がオーバーしてしまうので二つに分けさせていただきました、 (2020年9月1日 22時) (レス) id: 69c0d25b87 (このIDを非表示/違反報告)
店員です！ - 初コメ失礼します！にろ様の作品がおすすめに出てきており気になって一昨日から読ませていただいております。自分すごく飽き性なんですがにろ様の作品は、楽しくて手が止まることなく読むことが出来ております！（面白いということです、）これからも応援しております！ (2020年9月1日 22時) (レス) id: 69c0d25b87 (このIDを非表示/違反報告)
にろ。(プロフ) - まふゆさん» コメントありがとうございます！ただいまです！そう言って頂けるだけで涙が出そうです…！お待たせいたしました！ (2020年8月31日 21時) (レス) id: b75158f124 (このIDを非表示/違反報告)
まふゆ(プロフ) - いつも楽しく読まさせていただいています！おかえりなさい！これからも無理せず、無理だと思ったら更新停止にして、少しづつでもこの素敵な小説を進めて行ってくださると嬉しいです！ (2020年8月31日 21時) (レス) id: 295871ab0c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：にろ。 | 作成日時：2020年8月6日 23時
